315:ポチ:2007/09/04(火) 05:19:35
20代の中頃、免疫系の病気で病院と自宅だけを行き来する
引きこもりのような生活を送っていました。
薬の副作用で絶えず襲われる虚脱感で
半日以上眠り続ける生活でしたので仕事どころではなく無職状態。
一時期は快方に向かい就職したのですが、就職先が小さな個人経営の
会社ということもあり一日中社長と二人切りで、次第にセクハラ紛いの
言動が増えてきた社長に耐えられなくなり辞職。
病名が判明するまで幾つも転院しましたが、仮病扱いする医者や
精神病院への通院を勧める医者に何人も遭遇して、本当に精神的に
参ってしまいそうでした。
その時期に祖父母の家で牛舎の番犬として飼っていた
スピッツ系雑種のポチ♂を譲り受けました。
鎖に繋がれた状態でブラッシングなども施されていなかったポチは
ボサボサの毛玉だらけ、シャンプーやブラッシングをしたり、人と常に一
緒にいることに慣れさせる訓練をしているうちに私の病気も少しずつ良くなり
引きこもりも改善してきました。
ポチの餌を買う為に出掛け、ポチと散歩する為に毎日外出する。
以前では考えられないくらい家から外に出るようになりました。
次第に室内犬として躾るとポチとは朝から晩まで過ごすようになり、
抱きしめることで心も体も癒やされてゆきました。
そんなポチは我が家に来た時点で14才、
かなりの高齢で一緒に過ごせたのは数年でした。
亡くなったのは雪が降り積もっていた夜のこと。
散歩から戻り、玄関の踏み台を登ったところでパタリと倒れました。
ポチを抱きかかえて居間に連れて行って、母と二人で浅くなってゆく
ポチの呼吸音を聞きながら何度も撫でました。
苦しそうなのに名前を呼ぶと尾を振り、
目をこちらに向けて耳をピーンと立てるんです。
いつものように、いつもと同じように甘えたいんだって思うと
泣きたくても泣けなくて‥‥‥‥一瞬でも見逃すまいとポチを見つめていました。
最期の瞬間、私と母を見つめたまま大きく息を吐いてポチを亡くなりました。
その日たまたま出張に出掛けていた父は最期を見届けることができず、
帰宅するなり生前と同じようにポチに話しかけていました。
涙混じりの震えた父の声と母の嗚咽が忘れられません。
続く
316:ポチ: 2007/09/04(火) 05:24:58
続き
私は死体を抱きしめたまま、泣きながら眠ってしまい、
気がつくと真っ黒な場所に立っていました。
周りは真っ黒なのに私の周囲だけが明るくて、傍には
侵入禁止の標識のポールが立っています。
無音の空間でしたが不安や淋しさを感じなかったのは
ポチが足元でじゃれついていたからかもしれません。
死ぬ1ヶ月ほど前から時折呼吸困難になったり、足腰が弱っていたポチが
元気に走り回ってるだけで嬉しくて、私は泣きながら笑っていました。
ポチにありがとう!と告げると足に顔をスリ寄せてから、ほのかに
明るくなった向こう側に走り去ってゆきました。
最後まで私を励ましてくれたんだと思うと、また涙がこぼれてしまいました。
今でも眠っていると時々ポチがやって来て、目が覚めると
フサフサの毛の感触が手のひらに残っていることがあります。
生前同じベッドで撫でながら一緒に眠っていたので甘えに来るのかな?
連投すみませんでした。
ポチの夢を見て、衝動的に書き込んでしまいました。
317:本当にあった怖い名無し: 2007/09/04(火) 07:51:45
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318:本当にあった怖い名無し: 2007/09/04(火) 09:22:29
ポチ…・゚・(ノД`)・゚・。
319:本当にあった怖い名無し: 2007/09/04(火) 10:58:10
ポチ……!!
ポチはおまいさんたちの事が大好きだったんだね……
320:本当にあった怖い名無し: 2007/09/04(火) 15:23:05
。・。∧_∧。・。
。゚ ( ゚´Д`) ゚。
o( U U
’ー’ー’
322:ポチ: 2007/09/04(火) 18:39:25
>>317-320
ありがとうございました。
懐かしいポチの夢を見て、泣きながら勢いで書き込んでしまったので
読みにくい文章ですみませんでした。
ポチが我が家にやって来る前は家族がバラバラでした。
私は家族に病気であることを伝えていなかった為、
両親からは働けと叱責を受けてばかり。
詳細に反論する気力も無いほど病気と薬の副作用はひどく、
家族の会話は常に怒鳴り合いで殺伐としてました。
当時、妹は旦那のDVで悩んでいて、両親の心労はピークに達していました。
私の免疫系の病気は不治の病で、激症化すれば1ヶ月もせずに死んでしまう
病気であることを親に伝えて、更に悲しませたくなかったんです。
そこに私が病状をカミングアウトしたら両親が壊れてしまいそうで‥‥‥
私のことは怠惰な娘とでも呆れても良いからと、生きることも
弁解する気力も失いかけて、死を身近に感じてたんです。
そんな時にポチはやって来ました。
散歩や餌のこと、ワクチンや躾のこと。
犬を飼うには必要なことを話してるうちに家族の会話も穏やかに変わってゆきました。
ポチの粗相に笑ったり、怒ったりして、家族がまとまってきました。
323:ポチ: 2007/09/04(火) 18:41:20
続き
私が外出していたある日、ポチが私の部屋の前で吠え続け、
両親を部屋の中に誘導したそうです。
ベッドの前でも吠え続け、前脚で下側を引っ掻く仕草したので、
両親はベッドの下にある箱を取り出して開けてみました。
中に入っていたのは薬、診断書、請求書や領収書の類で
入院を勧める書類もありました。
両親は私が一日中眠り続ける理由を知り、親を頼れと本気で泣かれてしまい、
意地を張っていた自分も恥ずかしくなりました。
ポチのお陰で家族は一つになれました。
感謝という言葉では足りないほどポチに助けられました。
その恩を充分に返せたのかなとか、
もっと可愛がってあげたかったと悔やむ気持ちもあります。
ポチが亡くなった夜、夢の中でポチと最後に過ごした場所で
ポチのは彼岸と呼ばれる場所だったのかなと思います。
そこは静寂で清浄な空気が流れていました。
侵入禁止の標識の向こう側には決して近寄れなかったのも不思議で
見えない壁に遮られているようでした。
あの場所で健康だった頃のように思い切り走り回るポチと遊べたことで
最後に幸せな思い出をたくさん貰えました。
バカげた夢と人は言うかもしれないけど、私には現実です。
ポチ、ありがとう。
またいつか会えたら良いね。