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  • 8月
    07
    2009

    おとうちゃんは、フィリピンに行ったの

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    カテゴリ:[コピペ]泣ける |
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    261 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/31(金) 08:46:18

    第二次大戦が終わり、私は多くの日本の兵士が帰国して来る復員の事務についていた、
    ある暑い日の出来事でした。
    私は、毎日毎日訪ねて来る留守家族の人々に、
    貴方の息子さんは、ご主人は亡くなった、死んだ、死んだ、死んだと伝える苦しい仕事をしていました。
    留守家族の多くの人は、ほとんどやせおとろえ、ボロに等しい服装の人が多かった。
    ある時、ふと気がつくと、私の机から頭だけ見えるくらいの少女が、チョコンと立って、
    私の顔をマジ、マジと見つめていた。
    「あたし、小学校二年生なの。おとうちゃんは、フィリピンに行ったの。
    おとうちゃんの名は、○○○○なの。いえには、おじいちゃんと、おばあちゃんがいるけど、
    たべものがわるいので、びょうきして、ねているの。
    それで、それで、わたしに、この手紙をもって、
    おとうちゃんのことをきいておいでというので、あたし、きたの」
    顔中に汗をしたたらせて、一息にこれだけいうと、大きく肩で息をした。
    私はだまって机の上に差し出した小さい手から葉書を見ると、
    復員局からの通知書があった。
    住所は、東京都の中野であった。
    私は帳簿をめくって、氏名のところを見ると、比島のルソンのバギオで、戦死になっていた。
    「あなたのお父さんは—」
    といいかけて、私は少女の顔を見た。
    やせた、まっ黒な顔、伸びたオカッパの下に切れ長の眼を、一杯に開けて、私のくちびるをみつめていた。


    262 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/31(金) 08:48:44

    私は、少女に答えねばならぬ。答えねばならぬと体の中に走る戦慄を精一杯おさえて、どんな声で答えたかわからない。
    「あなたのお父さんは、戦死しておられるのです」
    といって、声がつづかなくなった。
    瞬間少女は、一杯に開いた眼を更にパッと開き、そして、わっと、べそをかきそうになった。
    涙が、眼一ぱいにあふれそうになるのを必死にこらえていた。
    それを見ている内に、私の眼が、涙にあふれて、ほほをつたわりはじめた。
    私の方が声をあげて泣きたくなった。
    しかし、少女は、「あたし、おじいちゃまからいわれて来たの。おとうちゃまが、戦死していたら、
    係のおじちゃまに、おとうちゃまの戦死したところと、戦死した、じょうきょう、じょうきょうですね、
    それを、かいて、もらっておいで、といわれたの」
    私はだまって、うなずいて、紙を出して、書こうとして、うつむいた瞬間、
    紙の上にポタ、ポタ、涙が落ちて、書けなくなった。
    少女は、不思議そうに、私の顔をみつめていたのに困った。
    やっと、書き終わって、封筒に入れ、少女に渡すと、
    小さい手で、ポケットに大切にしまいこんで、腕で押さえて、うなだれた。
    涙一滴、落とさず、一声も声をあげなかった。
    肩に手をやって、何かいおうと思い、顔をのぞき込むと、
    下くちびるを血がでるようにかみしめて、カッ眼を開いて肩で息をしていた。
    私は、声を呑んで、しばらくして、
    「おひとりで、帰れるの」と聞いた。
    少女は、私の顔をみつめて、
    「あたし、おじいちゃまに、いわれたの、泣いては、いけないって。
    おじいちゃまから、おばあちゃまから電車賃をもらって、電車を教えてもらったの。
    だから、ゆけるね、となんども、なんども、いわれたの」
    と、あらためて、じぶんにいいきかせるように、こっくりと、私にうなずいてみせた。
    私は体中が熱くなってしまった。
    帰る途中で、私に話した。
    「あたし、いもうとが二人いるのよ。おかあさんも、しんだの。
    だから、あたしが、しっかりしなくては、ならないんだって。あたしは泣いてはいけないんだって」
    と、小さな手をひく私の手に、何度も何度も、いう言葉だけが、
    私の頭の中をぐるぐる廻っていた。

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    Written by ayu in: [コピペ]泣ける |
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    2件のコメント »

    • ポリマーハッタヤ より:

      こりゃあ小学校の国語の教科書に載っているやつだな。
      割と有名な作家の著作物だから気をつけた方がいいかも

    • 横だけど より:

      ポディマハッタヤさんなら知ってる。
      朝ごはんにバナナと生卵。

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