ビック・ザ・デブドー
416 名前:774RR 投稿日:2008/01/13(日) 15:17:55
ヤンキーの斉藤君は、中学2年にして80キロの富田君を
「ビック・ザ・デブドー」と命名、「辻クロスボンバー」のパートナーにした。
もともとデブなだけで地味で目立たない存在だった富田君だったが、「辻クロスボンバー」
を敢行する彼の表情は別人のように生き生きとしていた。
彼が中学生活で一番輝いていたときだったように思われる。
彼らの「辻クロスボンバー」は主として休み時間中にトイレから出てきた男子
を無差別に狙うものであったが、校門や逃げ場のない歩道橋など活動範囲は展開していき、
さらには「体育のサッカーの時間、気づけば誰かが卒倒している」という事態にまで
発展していった。
(余談だが犠牲者のなかでも泣く奴は「死者」と呼ばれ、末期には「死亡確認!」と
別のネタまで盛り込まれた)
事態を重く見た学校サイドは、ついに朝の全校集会でこの問題を取り上げ、
体育の加藤先生が保険の授業で「いかにクロスボンバーは危ないか」を図入りで説明するなど
公的なレベルで糾弾がなされ、男子生徒たちを恐怖に陥れた「辻クロスボンバー」は
姿を消していった。普通の地味なデブへと戻っていく富田君の背中は、どこか寂しげであった。
以下後日談。それから数週間経ったある日、廊下で悶絶している斉藤君と富田君が
発見された。斉藤君は廊下に顔面を強打、鼻と口から大量に流血し、富田君は傘立て
の角に後頭部を激突させ2針を縫う傷を負った。
「辻ロングホーントレイン」の開発中だったらしい。
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