いつも夢みたいなことを言って生きてたヒモが夢を掴んで帰って来た
ヒモを飼っていたという38歳女性のお話がグッと来ましたので紹介したいと思います。
まぁ、その当時ヒモが18歳で私が28だからあれから10年。私気づいたら38やっちゅーねんな。
当時そのヒモは地元の国公立大学に通わない(入学以来三日くらいしか登校してなかった)大学生で
私は金融系のOLだったんだけれども。流石の私もうっかり家に住み着かせてしまったことをえらく後悔した。
まず、ヒモは働かなかった。(ヒモなんだから当たり前だが)
ビタイチ働かない。親とは大学の単位を一つも取得していないことがバレて以来
大変に険悪になったらしく、家にも帰ろうとしない。
「結局、金がなければ遊びたい一心で働くだろう」と思ってお小遣いを断ってみたりもしたが、全く効果なし。
ショルダーバッグにみっしり詰めて来たこ難しげな本やらなんやらをひがな一日読んで、全く動かない。
「お金はあればいいけど、なくても別にいい」というヒモだった。
ヒモ、こうして書くと無気力の権化みたいに見えるだろうけど実際その通りで、
ただそれでも夢はあるようで、「いつか作家になるかあるいは起業して楽しく暮らす」という夢を持っていた。
『うるせえ、バイトから始めろクズ」と言いたくなるだろうし、実際言っていたんだけど、
まぁそんなこんなを繰り返しながら私の家に二年くらい居ついてた。
ルックスはと言えば、全く以って冴えなかった。料理が上手なのと、語彙が豊富なのが同居人としては良かった点かもしれない。
小太りの上髪も髭も伸ばしっぱなしなものだから、あまり一緒に外で遊びたいという相手でもなかった。まぁ、好きだったけどな!
ヒモがある日突然「ぼく東京行くわ、別の大学受かったからまたね」と言って家を出てったのが八年前。
「奨学金取れたけど当座の生活資金要るからカネ貸して」と言われ、まぁ流石に18歳をダメにしてしまったダメ女の
責任として当時の貯金をはたいて彼の上京資金を工面してあげた。それから半年くらいは時々連絡があったけれど、
それ以降は完全に行方不明になった。携帯電話も何時の間にか連絡がつかなくなった。
まぁ、帰ってくるつもりで貸したお金じゃないし、元気でいるといいなと思っていた。その四年後に私も結婚した。
今もそれなりに幸せに暮らしている。そんな最近、ヒモから連絡があった。
「金、返すよ。結婚したの?おめでとう」
聞くところに寄れば、泣く子も黙る大学を卒業した後の彼は暫く外資系のコンサルタント(よーわからん)会社に就職し
二年で辞めて起業したらしい。どんな仕事をしているか聞いたけど、残念ながら私の知識では理解出来なかった。
あとはポーンと500万(元本の2,5倍)置いて帰って行った。いや、頭のいい子なのは知ってたけど、人間わかんないもんだなぁ。
そんで、わたしの目の前には人生で始めてみる額の現金がある。もちろん、ちょっとダンナには言えない。
「次は作家の方の夢を叶える」とか吹いてたけれど、叶えてしまいそうな気もする。
なんというか、人生について考えてしまってどうしようもなく、とりあえず500万円あれば何が出来るだろうかと思いあぐねている。
いやはや、何をどう考えればいいんだろうか。人生ってわかんないですねー。とりあえず、私おばさんですねもう。
彼の人生には未来がたくさんあるんだろうけど、私にはもう未来って特にないんだろうなぁ。
大漁!
こんな人生も、あるんですねえ(遠い目
アマゾンで検索したら、完全ヒモマニュアルというすごい本が刊行されていました。これもすごい。
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