俺達の絆を繋いでいた
978 本当にあった怖い名無し :2007/02/02(金) 19:17:37 ID:iylFpRXd0
四年前まで飼っていた犬が全盲だった。
でも、とりたてて「世話が大変」とかいう事はまるでなかった。
今になって「よく考えたら、あいつ目が見えなかったんだよね」というくらい。
こないだ家族でその犬の思い出話をしていて、一つ驚いた事があった。
家の中と庭では自由に歩き回っていたそいつも、
散歩の時だけはリードを繋がなければ決して歩こうとしなかった。
人間がリードを引っ張る微妙な角度で、
止まる・右へよける・左へよける・段差がある・・・
等の路面状況を、奴に判断させていたからだ。
「特に教え込んだわけでもないのに、よく理解してたよね」という話になり
ふと疑問に思って、家族にそれぞれの合図の出し方を聞いてみたら
俺の「止まれ」→真上にリードを引く
姉の「止まれ」→斜め後方に引く
母の「止まれ」→小刻みに何度かリードを引く(俺の「段差がある」の合図と同じ)
父の「止まれ」→「止まれ~」
という具合に、皆全然違う合図を出していた事が判明。
犬は家族のクセを、全部読み分けていたのだった。
俺達が「世話が大変」と思わなかったのは、
奴のそんな努力があったからなんだな・・・と、しんみりした。
しかし、そんな俺たち家族にも、共通していた事はあった。
リードを伝わってくる、奴からの全幅の信頼感だ。
クサい表現になるけど、あのリードは正に俺達の絆を繋いでいた。
目隠しをして紐一本で繋がれて、「さあ歩け」と言われても
なかなかできるものではないだろう。
奴が死ぬ間際まで使っていたリードは、未だに壁にかけてある。
980 本当にあった怖い名無し :2007/02/02(金) 20:24:55 ID:iG4vbYNA0
盲導犬は人間に全幅の愛と信頼をくれるけど、
目の見えない犬も同じものを示してくれたんだね…
今は大好きな貴方たちの姿をちゃんと「見て」いるんだろうな。
ディスカッション
コメント一覧
全盲の犬の話もいいけど…
家族で集まって話しをする環境など、わたしの家ではまず考えられない
ひとりひとりに部屋(リビング+寝室)がありテレビがあり
全員がクルマを持っている
休日どころか平日すら誰が何をしてるのかわからない
良く云えば「放任主義・個人尊重」、悪く云えば「無関心・自分勝手」
まるで寮長(父)と掃除洗濯のオバさん(母)がいる独身寮(2男1女)
もちろん家族仲は最悪
少なくてもわたしは最後に誰と何の会話をしたか覚えていない
父は確か年商十数億の会社社長、母は専業主婦
上の兄は以前、スーツを着る仕事をしていたけど今何をしてるのかわからないし興味もない
下の兄はまだバーテンみたいなことをしていると思う
わたしは