認知症の元警官が“自分が殺人犯かもしれない”と自問するヒューマンサスペンス『憶えのない殺人』

認知症を患う元警官・佐治英雄。彼は小さな町で静かな暮らしを続けていたが、ある日近隣で起こった殺人事件の容疑者として疑われることに。刑事・北嶺亜弓の執拗な追及、過去の記憶の揺らぎ、娘や周囲の人々との複雑な関係の中、「無実」の証明に苦闘する。自分自身をも疑い始める佐治がたどり着く真相と、ささやかな“救い”とは――。ヒューマンサスペンスの傑作
憶えのない殺人:ネタバレなし感想
認知症を患っているかもしれない自分がまったく憶えのない防犯カメラに写っていたら…想像しただけで怖すぎる…
とにかく小林薫さん、尾野真千子さんご両人の迫真の演技に尽きます。
単なる犯人探しドラマではなく、認知症という病気の怖さをミステリーに見事にからめ、90分という短い尺で描ききった脚本が本当に素晴らしい、見ごたえたっぷりの傑作ヒューマンミステリーでした。
ラストの余韻も、とても良かったです。
憶えのない殺人:作品詳細
放送日:2025年2月22日(NHK BS) 製作年:2024年 製作国:日本 上映時間:89分
ジャンル:ヒューマンサスペンス・ミステリー 制作:NHKエンタープライズ
憶えのない殺人:キャスト・スタッフ
- 小林薫(佐治英雄)
- 尾野真千子(北嶺亜弓)
- 橋本じゅん(楢崎康英)
- 松澤匠(稲岡勇也)
- 鞘師里保(奥田沙苗)
- 西村和泉(桧沢肇)
- 螢雪次朗(内山宗史郎)
- 中越典子(佐治花澄)
- 脚本:大森美香
- 演出:片岡敬司
- 音楽:河野伸
- 製作統括:後藤高久(NHKエンタープライズ)、磯智明(NHK)
- 美術:山下恒彦
- 撮影技術:相馬和典
- 技術:長谷川理
- 照明:中村航
- 音声:嶋岡智子
- 映像技術:原亜希斗
- 制作:NHKエンタープライズ
憶えのない殺人:あらすじ
東京郊外の駐在所に25年勤務した元警察官・佐治英雄は、10年前に退職し、今は認知症を患いながら同じ町で一人暮らしをしていた。ある日、近所で殺人事件が発生。刑事・北嶺亜弓が聞き込みに訪れると、被害者は佐治が現役警官時代に逮捕したストーカー犯・桧沢肇だった。
防犯カメラの映像、目撃証言、物証——次々と現れる証拠が佐治を容疑者として指し示す。記憶の曖昧さから自分が犯人かもしれないと疑い始める佐治。一方、北嶺は物証と証言から佐治の犯行を確信していく。無実を証明しようと奔走する佐治の中で、過去と現在の記憶が交錯し、やがて本当の真犯人と事件の真相が浮かび上がる。
憶えのない殺人:解説
連続テレビ小説「あさが来た」などで知られる脚本家・大森美香が手がけた感動のヒューマンサスペンス。
認知症という現代社会の重要なテーマを扱いながら、被疑者の心理、警察官としての正義、家族関係の複雑さを繊細に描き出す。
小林薫と尾野真千子の実力派キャストが、事件の真相と人間の本質をリアリティ豊かに演じ、NHKドラマならではのクオリティで制作された。
憶えのない殺人:関連サイト
- 公式サイト:https://www2.nhk.or.jp/archives/movies/?id=D0009051881_00000
- Filmarks:https://filmarks.com/dramas/15577/21087
- 「憶えのない殺人」吉田潮レビュー「小林薫がもたらす『亡失』の妙、尾野真千子が魅せる『猛省』の説得力」 | ステラnet:https://www.steranet.jp/articles/-/4154
- 「親孝行」への覚悟を背負い続ける尾野真千子が親に「認められた」と思ったとき(田幸和歌子) – Yahoo!ニュース: https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/4fc72d659b11be2ecd135b829e35ee4bd406ce1a
- 尾野真千子、沖縄移住でメリハリ 仕事も「より一生懸命になれる」 女優業への思いや沖縄生活を語る | マイナビニュース:https://news.mynavi.jp/article/20250221-machiko_ono/
憶えのない殺人:配信
憶えのない殺人:SNSでの主なユーザーレビュー
「小林薫さんの認知症を患う老警察官の表情と歩き方だけで全てが伝わってくる。尾野真千子さんの刑事のクールさと人間らしさも印象的。ラスト5分で一気に涙が出た。」
「記憶が曖昧な主人公が、自分が本当に犯人かもしれないと疑い始める心理描写が秀逸。脚本の大森美香さんは本当に人間の心の奥底を描くのが上手。何日も余韻が残った。」
「認知症というテーマを単なるサスペンスの題材にするのではなく、人間の本質と向き合うドラマに仕立てた力強さ。結末は予想を裏切らないものながら、そこに至るプロセスが素晴らしい。」
「橋本じゅん演じる医師のキャラクターも良い。主人公を信じ続ける姿勢が、物語全体に温かみを与えていた。NHKの特集ドラマとしてこれ以上ないクオリティ。」
「認知症の親を持つ身としては、胸が痛くなるシーンが多かった。だからこそ、この物語が投げかける『親を信じる』『記憶の外側にある愛情』というメッセージが心に響く傑作。」
















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