450 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2008/10/15(水) 11:34:01
「このぽっけすごいねんで!!(`・ω・´)三3ムフー!!」
そう言って幼稚園の制服のポケットをパンパン叩いてた友達Aの息子
ポケットにはハンカチ、ティッシュ、お菓子、小指の先サイズのドラえもん、母親とのプリクラ、
それにムシキングカードなどなど…
その子にとっての宝物が詰まってた
「ぽっけ叩いたら欲しいもん何でも出てくんねん(`・ω・´)三3フンフン!!」
ソレ聞いて少しイジワル言ってみた
「じゃあミニカー出してみて」
前から欲しがっていて 持っていない事は知っていた
その子はムキになって
「あるもん!!フン!フン!」とポケットをパンパン叩いて宝物を散らかしていった私はその子の隙を見て
あらかじめ買っておいたミニカーを そっとポケットに忍ばせた
「フン!…あっ!! …フフ~ン♪」
得意気に出てきたミニカーを私に見せびらかしてたが、物陰で
(´・ω・`)??
みたいな顔してた
かなり萌えた
ある日Aが死んだ脳溢血だった 職場で突然倒れそのまま逝ってしまった
友達はいわゆるシングルマザーで家族は60を過ぎた御両親だけ
私達も悲しみにくれる間も殆ど無く、葬儀の準備の手伝い、関係者への連絡などで忙殺されていた
その間、彼はずっとジュウレンジャーの絵本を何度も何度も読んでいた
通夜が始まりしばらく経った頃、彼が居ない事に気付いた
私と手の空いた者が付近を探した
しばらく探していると友達Bから着信
小さな公園で見つけたとの事
急いで駆けつけるとBは公園の入口で、どういうワケかうずくまって泣いていた
フッ…と公園の中を見ると彼が居た暗い街灯の下、
「…お母さん、お母さん…お母さん…」
と泣きながら必死にポケットを叩いてた
周りには宝物が散らばっていた
恥ずかしながら20代女、その子慰める前に しばらくの間 泣き崩れてしまいました
声を殺して抱きしめる事しか出来なかった
いつの間にか集まってたみんなも泣いていた
あの日は全てが悲しくて仕方がなかった
あれから二年
もうポケットは叩く事は無くなった
代わりに
「ぐらふぃっくあーてぃすとになんねん(`・ω・´)三3ムフー!!」
が口癖になった
最近、ずっと絵を描いてるのはソレだったのか
どうやらBが 「お母さんの夢やったんよ」 と教えたらしいその話を聞いた瞬間、また泣いてしまった
子供の言葉で、何だかこっちの方が救われた気がしたんです
少し画家と混同しているみたいだけど、頑張れ
君には5人のお母さんがついてるぞ
その日までちゃんとAの分まで全力で見守ってるからね