881:おさかなくわえた名無しさん:2014/01/24(金)13:11:50
私はブスだ。
子供の頃からその自覚があり、家族は「そんなことないよ~」とフォローする感じではなく「お前は顔がアレなんだから、他の所できちんとしなさい」という前向きなもの。
少なくとも、私にとっては、両親の接し方はありがたかった。不細工なものは不細工なんだからしょうがない。
芸人の光浦さんがテレビで売れ始めてた頃で、光浦さんを見て、なんか「顔が悪くたって人生やりようはある」と妙に納得したのを覚えてる。
勉強は人並みに頑張ったし、「最悪、一人でも生きていけるように」と、母から家事・手芸の手ほどきも受けた。
兄弟多かったせいか、幸いコミュ力は人並みにあったので、ぼっちにはならず、それなりに学校生活を満喫。
友人にも恵まれ、いじられキャラではあったが、必要以上にブサイクをいじられることもなかった。
大学3年で、こんな私でも、彼女にしたいという、同じゼミのA君が現れた。初カレ(笑)である。
特に誰かに報告するでもなく、デートを重ねていたある日、ゼミの新年会で、「私子、彼氏いたことあるの?」と誰かが言った。
A君に目配せしたら、ニコニコしてGOサイン出してきたので、「いるよ、A君」と答えると、
ゼミで一番美人のB子さんが、ツボに嵌ったみたいでゲラゲラ笑い出した。
周りの子が諌めると「だって、私子!?何で私子!?A君に貢いでんじゃないの!?絶対おかしいって!」
男子が「やめろよ!」と叱るんだけど「じゃあさ、アンタ、私子とデートできる?連れ歩ける?手ぇ繋いだり、キスとかできんの?」というB子さんの言葉に沈黙。
「ほらねー!」と上機嫌にB子さんが男子を指差した瞬間、A君が机バンして立ち上がった。
882:おさかなくわえた名無しさん:2014/01/24(金)13:12:55
「お前ら、顔だけか!あと20年もすりゃあみんなジジイババアになるのに、いい歳して顔だけか!?図体だけで本当にガキだな!
いいか!まずな、私子はな、すっげー物知りなんだよ!俺がどんな話題振っても、ウザがるどころか、話広げてくれるんだよ!
それに、メシがうめーんだよ!私子の弁当食ったら、コンビニ弁当食えなくなるぞ?俺は好き嫌いも無くなったね!(A君は偏食で有名だった)
私子はな、何でも作れるぞ!菓子も美味い!当たり前のように美味い!
あとな、(自分のカーディガン掴んで)これ!これ!私子が俺に編んだんだよ!売り物じゃどうしてもサイズ合わないからっつったらさ!
売り物と違い分かんねーだろ!?むしろ軽くて暖かいんだよ!すげーんだよ!
お前らが顔だけ見て、話も合わない、飯も不味い、思いやりも無いやつと結婚しようが勝手だがな
どれか一つでも私子に勝ってから文句言え!私子ほど、彼女にしたい女なんかいねーよ!」
普段はドラクエの主人公レベルで無口なのに、酒の勢い借りて、一気に熱弁するA君に、慣れない私ageトークに涙目の私。
空気読んでくれた男子が、その場は「えっ、これ、手作りなの?」とA君のカーディガンに話題を持って言ってくれて、なんとか場は持ち直せた(男子はあとで謝ってくれた)
その年のバレンタインデーに、「料理くらいで偉そうに!」と、ドヤ顔で手作りチョコを配ったB子さんだったが、岩石化してたようで、評判を落とす結果に。
私も用意したんだけど、A君に全部食べられて、「良さの分からないお前らには不相応」と、A君がチロルチョコ撒いてた。
あれから10年ほど経つけど、A君の怒鳴り声を聞いたのはあれっきりだなぁ。
腹の子がA君に似ますようにと願掛けの意味も込めてカキコ。