【映画】阪元裕吾「ベイビーわるきゅーれ」がとにかく最高でした

劇場公開当時から大変話題になっていた映画「ベイビーわるきゅーれ」
U-NEXTに上がっていたので観たらぶっとびました。最高でした!
2023年9月21日現在、Netflixにも配信がスタートしています!
ネタバレなしで感想や関連動画など、色々書いてみます。詳細は以下より
予告編
あらすじ
女子高生の殺し屋・ちさと(高石あかり)とまひろ(伊澤彩織)は、高校卒業後は普通の社会人として生活することになり戸惑っていた。組織から委託される人殺し以外の経験がない二人は、公共料金の支払いといった日常生活における知識がなく、慣れない社会人生活に苦戦する。さらに組織からルームシェアを命じられると、コミュニケーションに難があるまひろはアルバイトをこなすちさとに嫉妬し、二人の仲は悪化。一方殺し屋稼業では、ヤクザとのトラブルに巻き込まれてしまう。
解説
『ベイビーわるきゅーれ』は、阪元裕吾監督による2021年公開のアクションコメディ映画です。社会不適合な“元女子高生”殺し屋コンビが、卒業を機に社会人としての生活を始めるものの、公共料金の支払いやバイト、年金、税金など現実社会の壁にぶつかりながら、殺し屋としての仕事もこなしていくという異色の青春映画です。
主演は舞台「鬼滅の刃」竈門禰豆子役で注目を集めた髙石あかりと、スタント出身でアクション監督も務める伊澤彩織。女性バディのコミカルな掛け合いと、邦画トップクラスの本格アクションが両立している点が最大の特徴です。
「明るい殺し屋映画」、ブラックユーモアと日常のゆるさ、そして突然始まるガチのバトルが絶妙なバランスで描かれています。公開後は口コミで話題となり、シリーズ化・ドラマ化も進行するなど、邦画アクションの新たな旗手として高く評価されています。
ネタバレなし感想
とにかくアクション描写が素晴らしい
観た人はオープニングのコンビニでの一幕から度肝を抜かれると思います。ちょっと観たことないフレッシュで高速な超絶アクション。

現役スタントパフォーマー、伊澤彩織さんのアクションのキレが尋常じゃないです。アクション監督の園村健介さんの演出もあると思うのですが、とにかく魅せるアクション描写が美しいです。ラストのボス戦のシークエンスは必見です。観終わったあと、何度もリピートしてしまいました。

スタントパフォーマー 伊澤彩織
伊澤彩織さんのアクションの凄さがわかる動画がありました。
動きのキレが半端ないですね。改めて観ると、アクション表現って進化してるんですね。
2020年の伊澤彩織さんのインタビューがとても良かったです。
(前略)映画制作部でもちょっといじめがあって孤立してしまい、自分一人でクレイアニメを作り始めました。一コマずつ(人形などを)動かして撮れば、一人で作れましたから。高校2年のときにその作品が「アニメ甲子園」や「映画甲子園」で賞をいただきました。それがきっかけで、映画制作の道に進みたいと本気で思うようになり、日芸(日本大学芸術学部)の映画学科に入りました。

最終的に、アクションの道に進もうと決意したのは、私にアクションを教えてくれた師匠・田中清一さんが2016年に52歳で亡くなったときです。田中さんは倉田アクションクラブ出身で、邦画だけでなく香港映画「導火線 FLASH POINT」「イップ・マン 継承」の現場にも参加しました。アクションチーム「パスガード」の代表で、アクションに対する熱量と探究心は人一倍あり、とても人望の厚い方でした。そんな師匠の遺志を継ぎたいと思ったんです。
ちょっとグッと来てしまうインタビュー。これからも彼女の活躍には注目したいと思います。
アクション+バディ+日常+青春
アクションが良いだけではないのがこの作品の凄い所です。
やはり、この独特で漫画のような「殺し屋が当たり前にいる世界」を作り上げた事が成功した理由だと思います。絶妙なリアリティラインが素晴らしい。三池崇史作品を思い出してしまいますが、毎度荒唐無稽になり過ぎな設定は残念な結果になってしまうことが多いですw
「殺し屋の会社に所属している」という設定が今作では成功していて、高校卒業と同時に会社から共同生活を言い渡される件はとても腑に落ちます。殺し屋がテーマなのだからダークな雰囲気になりがちなところを「仕事だから殺す」感がこの作品のポップさを維持しています。「普通の社会生活、学生生活が送れないから、殺し屋家業をやっている」
ダラダラとした日常も、処理を行う外注会社も、この漫画中の世界のルール上での登場人物の「切実」がブレる事なく表現されており、青春モノともとれる清々しさが表現できているところが本当に素晴らしいです。
他作品ですと、アニメ「SPY×FAMILY」の1~2話、3人家族で一緒に住む、という設定を作りたいがためにエピソードをひねり出していましたが、ちょっと苦しかったですよね。
作中最も胸熱なシーン↓

サブスクで観られるいま、ここは何度もリピートしちゃいますねw
ジャケ写とタイトル問題
ジャケ写とタイトル問題。激しいアクションとのギャップを狙ってポップにしたかったとは思うし、アイドル級にキュートな二人を前面に押し出したかったとは思うのですが、やっぱり観る前のハードルが上がってしまいます。話題にならないと絶対に観ないタイプの作品になっているのが勿体ないです。
海外タイトルは「Baby Assasins」。なるほど。そして画像もちょっとカッコよくなってます。

宇多丸 & コンバットREC によるベイビーわるきゅーれ評
アトロクで宇多丸さんとRECさん、そして最も信頼できる人でお馴染みライムスターマネージャー小山内さんが推してなかったら観てなかったと思います。聴けば必ず観たくなる、お二人のレビューはSpotifyで。
まずは宇多丸さんのレビュー。10:33辺りから。ちなみにOPはhy4_4yhプロデューサー江崎マサルさんの訃報の話にも触れていて、そちらも必聴です。
コンバットRECさんの素晴らしいレビューは16:00辺りから。
ベイビーわるきゅーれ:関連サイト
- 公式サイト:https://babywalkure.com/bw01/
- 映画.com:https://eiga.com/movie/94242/
- Filmarks:https://filmarks.com/movies/96840
- IMDb:https://www.imdb.com/title/tt15028452
- JustWatch:https://www.justwatch.com/jp/%E6%98%A0%E7%94%BB/beibiwarukiyure
ベイビーわるきゅーれ:配信
ベイビーわるきゅーれは現在U−NEXT、Amazon Prime Video、Netflixで配信中です
他オススメアクション作品
この手のアクションですと、やはり、みんな大好きキアヌ・リーブス主演、マトリックスのアクション監督だったチャド・スタエルスキによる「ジョン・ウィック」でしょうか
この世界に住んでいる住人の半分以上が殺し屋、という設定が本作にとても似ています。
あとは、キングスマン。ラストの格闘シーンは鳥肌モノでした。
あと、ベター・コール・ソウルが絶好調の、ボブ・オデンカーク主演、ミスター・ノーバディ
社会派風ですが、中身はMr.ノーバディと同じベクトルのアクションエンタメ、THE HUNT。大好きでした。
ベイビーわるきゅーれ、オススメです!
最高のアクションだけではなく、永遠に観ていたいと思わせる世界観と主演二人のぼんやりした会話劇。気軽に観れる文句なしに面白い作品だと思います。続編制作も決まったことだし、このGWイチオシのエンタメ作品です。
続編:ベイビーわるきゅーれ2ベイビー観ました

続編「ベイビーわるきゅーれ2ベイビー」観てきました。ちょっと日常シーンのゆるさがやりすぎ感はあったものの、最高のアクション活劇になっていました。
伊藤彩織さん、ジョン・ウィックの次回作に出演してほしいw
宇多丸さんの2の素晴らしい映画評も是非。
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