【映画】その道の向こうに:ジェニファー・ローレンスのリアリティあふれる演技が凄い

相変わらずハズレの少ないA24制作、AppleTV+配信作品。
心と身体に傷を負った帰還兵演じるジェニファー・ローレンス(プロデューサーにも名を連ねている)の心の葛藤と機微を緻密に表現する演技が本当に素晴らしい。
あらすじやネタバレなし感想を書いています。
その道の向こうに:あらすじ

アフガニスタンに派兵されていたリンジーは、任務中に心身に傷を負い、負傷兵として故郷ニューオーリンズに帰還する。PTSDに苦しみながらも元の生活に順応しようともがく彼女はは、そこで自動車整備士のジェームズと出会い、2人は思いがけない友情を築いていくことになるが……。
その道の向こうに:解説
「世界にひとつのプレイブック」「アメリカン・ハッスル」のジェンファー・ローレンスが主演し、戦場で心身に大きな傷を負った女性が故郷に戻り、苦しみもがきながらも生きていく姿を描いた人間ドラマ。
監督は舞台演出家として活躍するリラ・ノイゲバウアーの長編初監督作。リンジーと同じく過去の出来事によってトラウマを抱えているジェームズを「エターナルズ」「ブレット・トレイン」などでも知られるブライアン・タイリー・ヘンリーが演じ、第95回アカデミー助演男優賞にノミネートされた。
その道の向こうに:キャスト・スタッフ
- ジェニファー・ローレンス(リンジー)
- ブライアン・タイリー・ヘンリー(ジェームズ)
- リンダ・エモンド(グロリア)
- ジェイン・ハウディシェル(シャロン)
- スティーブン・マッキンリー・ヘンダーソン(ルーカス)
- 監督:リラ・ノイゲバウアー
- 製作:ジェニファー・ローレンス、ジャスティン・チャロッキ
- 脚本:オテッサ・モシュフェグ、ルーク・ゴーベル、エリザベス・サンダース
- 撮影:ディエゴ・ガルシア
- 音楽:アレックス・ソマーズ
その道の向こうに:予告編
その道の向こうに:ネタバレなし感想

ここ数年破竹の勢いという印象、ブランドとして確実にメジャーになったA24制作、配信作品数は少ないものの、良作ばかりの印象があるサブスクAppleTV+配信作品。
凄惨なテロにより心と身体に傷を負った帰還兵のリンジーがリハビリをする中で、たまたま出会った整備工場を経営する義足の男ジェームスとの絶妙な関係性を実に丁寧に描いています。

プロデューサーにも名を連ねているジェニファー・ローレンスの心の葛藤と日常の鬱屈や機微を緻密に表現する演技が本当に素晴らしかったです。

そして共演のジェームズ演じるブライアン・タイリー・ヘンリーも素晴らしい演技でした。
なんと義足はCGなんだそう、というか調べたら「ブレット・トレイン」に殺し屋レモン役で出てたあの人だった!レモン良かったですね。

過去にいろんなことがあり、片足を失っている真面目で優しい男を見事に演じています。劇中何度も描かれる彼の優しさが泣けます。

たまたま出会った二人の、ドライ且つ縮まりそうで縮まらない関係性を、リアリティたっぷりに実に見事に描いています。親子や兄弟、実家の問題、心のリハビリ、社会復帰、恋愛まで、リアルに身の回りで起こりそうなアレコレについて思い悩む様が本当に丁寧に描かれています。
「朝は一緒にコーヒ 夜には一服 たまに料理も」
グッと染み入るいい台詞でした。
によると、
3人の新人脚本家が合作で書いた脚本を読んだジェニファー・ローレンスが
「この脚本を読んだ時、なにか直感で感じるものがありました。いますぐにこの映画を作らなくてはいけない、というような。存在理由ともいうべき、帰る場所を見つけようとする物語に共感を覚えたのです。私は14歳の時に実家を離れ、ずっと複雑な思いを抱いています。だから余計感傷的になってしまったのかもしれません」
と直感で制作を決めたエピソードも良いですね。
主人公たちが悩み苦しむ姿を見て、誰にでもあるような大小のトラウマを思い起こさせ、心に突き刺さってしまうような不思議な感覚はこの3人の脚本家たちの手腕によるものも大きいと思います。
実際に事故に遭うシーンもなく派手ではない、登場人物も少ないですが、とても忘れがたい経験をさせてくれた作品でした。
その道の向こうに:配信
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その他のジェニファー・ローレンス出演作品
やはり傑作「ドント・ルック・アップ」のジェニファー・ローレンスは外せないでしょう。ほぼダブル主演、レオナルド・ディカプリオに一切引けをとらない素晴らしい演技でした。
そしてパッセンジャー。こちらも超魅力的でお見事な演技でした。
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