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「桐島、部活やめるってよ」はやっぱり凄かった

2013/02/21





映画『桐島、部活やめるってよ』公式サイト

大変遅ればせながら、なんとか劇場公開に間に合い(KBCシネマ1・2の再上映に感謝!)、「桐島、部活やめるってよ」観てきました。

観た人たちの興奮がこんなに激烈な映画をリアルタイムで観たのは初めてかもしれません。

ラジオで、ブログで、ツイッターで、フェースブックで、色んな方の熱過ぎる感想を聞き過ぎてハードルが高くなり過ぎていましたが、そんなものを吹き飛ばす位凄い凄い映画でした。

詳細は以下より


あらすじ


高校。金曜日、いつもの放課後。映画部の前田と武文、野球部の幽霊部員宏樹とその友人グループ、宏樹の彼女もいる女子グループ、宏樹に思いを寄せる吹奏楽部の部長沢島。それぞれのグループがいつもの放課後を過ごすそんな時とある情報が学校を駆けめぐる。「桐島。部活やめるってよ」

バレー部のキャプテンでエース、宏樹の親友、学年一の美人を彼女に持つ桐島が突然の退部によって学校が動き出す・・・

解説


早稲田大学在学中に小説家デビューし、第22回小説すばる新人賞を受賞した朝井リョウの同名小説を、「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」の吉田大八監督が映画化した青春群像劇。田舎町の県立高校で映画部に所属する前田涼也は、クラスの中では静かで目立たない、最下層に位置する存在。監督作品がコンクールで表彰されても、クラスメイトには相手にしてもらえなかった。そんなある日、バレー部のキャプテンを務める桐島が突然部活を辞めたことをきっかけに、各部やクラスの人間関係に徐々に歪みが広がりはじめ、それまで存在していた校内のヒエラルキーが崩壊していく。主人公・前田役に神木隆之介が扮するほか、前田があこがれるバトミントン部のカスミを「告白」の橋本愛、前田同様に目立たない存在の吹奏楽部員・亜矢を大後寿々花が演じる。

桐島、部活やめるってよを観たよ


タマフル2週連続の特集(!)と放課後ポッドキャストを聴いた人ならわかると思いますが、あの番組出演者の映画巨人たち(宇多丸さん、町山さん、高橋ヨシキさん、コンバットRECさん他)の熱くなりっぷりが尋常じゃなかったのを聴いて、スルーしていた沢山の人も観に行ったんではないでしょうか。

福岡では一旦全ての映画館が上映を終了していたものの(上映と言ってもTジョイなどは8:25~の1回だけ。意味わかりません)、KBCシネマでまさかの再上映。嬉しすぎて1時間近く前に劇場に着いてしまった程w

まず最初に言っておくと、

・この映画はミステリー映画ではない。
・この映画は甘酸っぱい青春映画ではない。
・この映画は桐島は一切出てこない。

ということです。

時間軸と視点をずらしながら描かれるストーリーも、多くを会話でなく映画的手法で描写するシーンも、主人公が不在のまま進む展開も、言ってみればさほど新しくはないものの、高校の中という閉ざされた空間とはいえ、沢山の登場人物を実に上手く描いている、と思いました。
例えば、こんなふうに…

・イケてる女子グループに影で笑われるオタク
・イケてる女子グループ内になんとか自分の居場所を作ろうとする女の子
・作品が評価されるも、誰も認めてくれない寂しい立ち位置の映画部
・イケてる「桐島」の部活が終わるのをバスケをしながら時間をつぶす帰宅部連中
・辞めた野球部の先輩から部に戻るように説得されるも全く気乗りがしない元野球部(でも野球カバンを毎日持って学校に行ってる)
・3年になっても野球が好き過ぎて引退できない野球部キャプテン
・男の子の事が気になって演奏に集中できない吹奏楽部部長
・「桐島」と付き合う事がステータスになってしまっている学校一の美少女
・体育のサッカーでなぜかイケてるヤツらが中心になってグループ分けをし始める
・周りから嘲笑されても、自分だけは他のヤツらと違う、と思い込む事でモチベーションを辛うじて保っている映画部

もうなんか痛々し過ぎて設定だけで泣けてきそうです。

僕の高校時代には「同調圧力」だの「スクールカースト」だのの言葉はありませんでしたが、間違いなく当時教室の中でも、社会人になっても同様の圧力もカーストもありますし、そんな「自分の居場所を死守する」感覚はありますよね(これは人によるかもしれません

誰かも言ってましたが、高校二年生という微妙な年齢がそうさせるのでしょうか、
「学校=世界」という、物凄く狭い場所で右往左往するしかない痛々しい彼らを見るにつけ、

自分は高校の時、どうだっただろう…
今の職場でも超似た話を聞くよなあ…

などと思いを巡らせてしまう訳です。

ゆえに、登場人物の誰もがそれぞれ文字通り「必死に頑張って」生きている様に心を打たれ、自分のダメさ(勿論過去も今も)に心底呆れ、どうしようもない想いに駆られる訳です(泣

とにかく、こんなにも登場人物それぞれが生きている映画はなかなかないと思います。吉田大八監督の力量は恐ろしいです。

そしてなんと言っても、この映画のもう一つの魅力といえば、

「観た後に友だちと語りたくなる(酒を呑みながら」

事だと思います。
沢山の登場人物のエピソード全てにオチが着くタイプの映画ではない為、ストーリーの余白を妄想するのが楽しいです。
それに合わせ、「自分は桐島の中でどれなのか」問題を語ると大変楽しかったです。
年齢性別地域部活も違う友人と語る「高校生時代のよもやま話」は近年まれに見る盛り上がりでした。


何度でも見返したい、そして何度でも映画について話したい、そんな映画でした。


激しくオススメです!


もう劇場公開も少なくなってきました。観ることのできる環境にある方は必見ですよー。DVD待つのはホントもったいない。

桐島評(ネタバレ注意)


シネマハスラーの桐島評がやはり最も素晴らしいです。やっぱり宇多丸さんすごい。


特集前に少しだけ語った、町山さん評



こちらもコーナー前のしまおさん評



そして町山さんとコンバットRECさんが参加した放課後ポッドキャスト。熱すぎてタマリマセン。





そして翌週、吉田大八監督を迎えた特集も面白かった。

特集「桐島、あのシーン忘れてるってよ!」



※僕はこれ全部聴いて映画に臨みましたが映画自体の面白さは全く半減しませんでした。
ひょっとしたら、映画の中の世界観や手法をある程度理解した状態で観るほうが理解が早いかもしれません。重要なシーンを見逃さない為にも僕はタマフル聴いてから映画観るのもアリな気がしました。

中森明夫氏による映画「桐島、部活やめるってよ」のレビューが素晴らしい件【ややネタバレ】 (NAVER まとめ)
こちらは若干盛り過ぎ感もある中森明夫氏のレビュー。ネタバレ全開ですので注意です。

映画『桐島、部活やめるってよ』公式サイト

ついにブルーレイ発売!!特典映像が180分!!!圧巻でしたw


iTunesでレンタルもできるってよ。便利な世の中になりました。


原作も素晴らしいらしいです。とりあえずポチりました。
朝井 リョウ
集英社 2010-02-05
¥ 1,260

当サイト関連


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