【映画・ドラマ】ブラック・ミラー神回3選と観るべき近未来作品10選
公開から5年以上過ぎてもNetflixの中でのオススメを聞かれたら最初に答えるくらい揺るがぬ面白さのドラマ「ブラック・ミラー」
その昔、
「とりあえず1-3から観たほうがいい」
というアクロバティックな勧め方をされて戸惑いましたが言う通りに。
「近未来モノ」という前情報だけを頂いて観てみたらあまりの面白さにびっくり。一気にハマってしまいました。
「近い将来、テクノロジーが発達したときにどんなイヤなことが起こるのか」
ということがテーマの、SF版世にも奇妙な物語のような1話完結オムニバスドラマです。
AIが反乱する系の超つまらない話が激増してる昨今。最後にボス役の悪いやつを倒したり、AI扮するロボットを倒して終わり、みたいな子どもっぽい話はブラック・ミラーには出てきません。
近未来モノのSFは結構観ましたが、パッとしないものが多く感じるのはブラック・ミラーが素晴らしすぎるからではないかと思います。
というわけで、ブラックミラーの神回3作について、そしてオススメ近未来作品を10作品ピックアップしてみました。
詳細は以下より
1-3 人生の軌跡のすべて
あらすじ
体に埋め込まれたチップがその人の記憶を保存し、いつでも自由に再生できる。ほとんどの人がそのチップを埋め込んで生活し、自分の記憶をディスプレイに写して他人と共有したり、幸せな記憶を再生して思い出に浸ることもある。
主人公はある日、妻と一緒に知人のパーティーに参加するが、そこには妻の元彼も参加していた。妻とその男は昔に一週間で別れたはずだが、妻の様子がどうにもおかしい。
妻が浮気しているのではないかと疑う主人公は、そのパーティーの記憶を何度も再生し妻を問い詰める。神経質な夫に辟易した妻との関係は悪化するばかりだが、パーティーの記憶を再生するたびに主人公の疑念はどんどん深まり、その行動はエスカレートしていく。
ネタバレなし感想
日々の生活を全て録画できたらこうなるよなあと…
観終わったあとのどんより感が半端ないです。とんでもなくクオリティの高いNTRモノとも言えます。一回観てすぐに二回目を観たくなるとても上手い脚本が素晴らしいです。
テクノロジーが発達した「便利なったはずの社会の弊害」を実に上手く表現していて面白いやら怖いやら。
なんといっても近未来表現が素晴らしいです。「50年後はひょっとしたらこうなるんではないか」というような表現がとてもリアルです。
あとガジェット好きも楽しいですね。観てるだけでワクワクするようなガジェットが次々と登場します。
そして他の追従を許さぬぶっちぎりに悪意のあるブラックユーモアにゾクゾクします。
2-4 ホワイトクリスマス
1-3と同レベルで衝撃的だったのは2-4(スペシャル、と表記しているブログも多く見られました)「ホワイトクリスマス」でした。
あらすじ
クリスマス、雪に閉ざされた部屋に、なぜか二人の男が。
一人の男が先導して、不思議な話を語り始める。
もう一人の男は、何かを胸に強く秘め心を閉ざして相手の話を聞いていたが、しだいに引き込まれ、とうとうその秘密を話してしまう。
一体このミステリアスな空間とこの二人の男はなんなのか?
秘密を打ち明けた男を待ち受ける結末とは?
ネタバレなし感想
「Zアイ」と呼ばれる脳内に埋め込まれる機器がオンラインと接続できる世界のお話。
1-3「人生の軌跡のすべて」でも登場した、体内に埋め込まれたチップ同様、視界に入ってきたものをデータとして受信できる末の弊害を描いています。
例えば、SNSの機能としての「ブロック」がリアルに実行(リアルブロックと僕は呼んでいます)できる点が恐ろしいです。ブロックした相手は影しか見えなくなり、コミュニケーションが全くとれなくなります。
「自分も脳にZアイ埋め込みたい!けど怖い!」
が存分に味わえます。
恋愛指南サービスとかクッキー(自分のコピー)を使った家の自動化サービスとか、ゾクゾクするようなものが沢山登場します。
観終わったあと、複数のエピソードが実に見事に交錯する脚本に思わず唸りました。最高です。
3-4 サンジュニペロ
あらすじ
時は1987年、ネオンが踊るとある海辺の街。
刹那的に生きる若者たちはこの街で、有り余るエネルギーの向かうままに、ありのままの享楽に耽っている。
しかしこの街には不思議な空気が漂っている。
どこか閉ざされていて、広がりが感じられず、人々の会話も何か少し普通と違う。
派手な夜の街には似つかわしく無い、内気なヨーキーは、この街で陽気な女性ケニーと出会い、二人は互いに惹かれ合う。
この二人はこの街で何をしているのか?
そして、この”サン・ジュニペロ”という街は一体どういう場所なのか?
ネタバレなし感想
ネタバレなしで観たほうが面白いエピソードなので詳しくは書きませんが、とにかく美しい映像とお話。
こちらも最高傑作だと言う人が多いですね。80年代にタイムスリップしたかのような完璧なセットが素晴らしいです。自分だったらどうする?と自問しながらずっと観ていました。
主人公のとった行動が切なすぎてラストで涙が止まりませんでした。
【番外編】ブラック・ミラー バンダースナッチ
アドベンチャーゲームのように、主人公が取る行動を観る者が選択できるインタラクティブな作品。何も知らずに観ると途中で物語が止まりびっくりしますが、何度もやり直し違うストーリーを楽しむことができます。
お話自体はそこまでエッジが効いていませんが、こういう新しい試みは応援したいです。
ブラック・ミラーとにかくオススメ
最初に観たのは2018年とかだったからもう5年近く経っていることになりますね。
この記事を書くにあたって上の3作を観返してみました。どれも甲乙つけがたく、色あせていません。
一話完結なので、どのエピソードから観ても大丈夫だと思います。よく観ていると、少しだけ世界がつながっていたりするのでそれを見つけるのも楽しいです。
オススメ近未来作品10選
ブラック・ミラー以降、かなり増えてきた近未来モノ。その中でも特に面白いものをピックアップしてみます。
ドント・ルック・アップ (Netflix)
2021年公開映画の中ではぶっちぎり1位に入れ、何度も繰り返し観てしまうほどに大好きでした。
切れ味抜群のブラックコメディ大作。どうみてもB級なお話に本気でお金かけてやるのが本当にすごい。キャストが豪華すぎてクラクラします。
とにかくレオナルド・ディカプリオとジョナ・ヒルが最高です。
ネタバレになるので控えますが、皮肉の効きまくった近未来表現がめちゃくちゃ笑えます。必見!
Her 世界でひとつの彼女 (Prime Video / U-NEXT)
スマートフォンの、Alexaの、Siriの、chatGPTの行く末を上手く表現した傑作「Her世界でひとつの彼女」
主人公が代筆を仕事としていて、手紙を口頭で修正している様や自宅でゲームをしている姿がもうすぐそこに実現しそうな感じがしました。
アップロード (Prime Video)
レディプレイヤーワン的なVR世界ものを、さらに一歩進めた設定が素晴らしすぎるドラマシリーズ。
死後、仮想世界にアップロードできる世界のお話。とにかくアップロード先の世界が超楽しそうです。サスペンスとしてもよくできており、未だ続いている人気ドラマです。
エクス・マキナ (Prime Video / U-NEXT)
AIが人間そっくりになったら、をサスペンス感たっぷりに描いた傑作。
そりゃあ誰しも可愛い女の子を作りたくなるよね。とw
トランセンデンス (Prime Video)
映画としてこの中では一番派手です。この手の映画ではアクションシーンは大抵不要な感じがしますが、暴走するAIモノとしては最後まで飽きさせない作りになっていて面白かったです。
ウエスト・ワールド (U-NEXT)
以前記事にもしたウエストワールドももちろんおすすめです。
が、シーズン2は観なくていいと思います。シーズン1序盤の、ゲームの中に入り込んだワクワク感はとんでもないです。1話だけ観て!と言いたくなります。
パッセンジャー (Prime Video)
個人的にポール・バーホーベンの「インビジブル」と並んで好きな「あなたならどうする」映画の傑作。中二病感がたまりません。
「機械の故障で自分だけ冷凍睡眠から早めに覚めてしまったら」というコントみたいな設定が最高です。
Fallout4のインスティチュート施設を彷彿とさせる宇宙船の美術が大変素晴らしかったです。
オール・ユー・ニード・イズ・キル (Prime Video)
タイムリープものでは頭一つ抜きん出ている作品ではないでしょうか。
自分がゲームをやっているかのような、新しい感覚。アクションも素晴らしいです。
トム・クルーズのヘタレからのヒーロー演技がサイコウです。俺たちのトム様はここでも健在です。
ダウンサイズ (Prime Video / Netflix)
人類がダウンサイズすれば、環境にもいいし、省エネだしいいことばかりだよね?的な発明が実現した世界のお話。こちらも「自分ならどうするか」を考えながら観てしまいますね。
マット・デイモンとクリストフ・ヴァルツの抜群の存在感が際立っています。
セヴェランス (AppleTV+)
勤務中と私生活の記憶を分離することで、
勤務中→私生活の事を思い出せない
私生活→勤務中の事を思い出せない
という脳になるチップを埋め込む手術をさせられる会社の話。エレベーターを降りた瞬間仕事の事を忘れられるのは羨ましいと一瞬思いましたw
一体何をしている会社なのか、なぜこの手術が始まったのか、ディストピア感満載で謎だらけ。
ベン・スティラー監督のコメディのエッセンスも楽しめ、ミステリーとしてもよくできている傑作ドラマです。これとテッドラッソを観るためだけにAppleTV+に加入しても損はしないと思います。
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