I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ|レンタルビデオ全盛期の青春を描く。映画ファン必見の一本

レンタルビデオ全盛期の2003年カナダを舞台にした青春コメディ『I Like Movies』は、監督・脚本チャンドラー・レバックが自分自身の高校時代を描いた自伝的作品。映画へのこだわりが高じて社交性を失い、周囲との人間関係を壊しながらも、ビデオ店でのアルバイトを通じて自分の居場所を見つけていく17歳の少年の奮闘を描く。主演のアイザイア・レティネン(ラッパーとしても活動)と、彼を面倒見つつも葛藤する店長役ロミーナ・ドゥーゴの奇妙で複雑な友情が全編の中心を貫く。
- 1. I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ:ネタバレなし感想
- 2. I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ:作品詳細
- 3. I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ:予告
- 4. I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ:キャスト・スタッフ
- 5. I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ:あらすじ
- 6. I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ:解説
- 7. I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ:関連サイト
- 8. I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ:配信
- 9. I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ:SNSでの主なユーザーレビュー
I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ:ネタバレなし感想
夢見る映画オタク少年の、高校卒業間近の多感な頃を描いた青春譚。
名作映画の羅列、早口で捲し立て人の話を聞かず友人よりも趣味を優先しちゃう駄目な感じ、レンタルショップのオススメ棚やポップ。
そんな主人公の若さ故のアレコレに、昔のことを思い出したり周りの大人たちの優しい目線にグッと来ました。ザラッとした色合いの2000年頃の空気感もとてもよいです。
何かへの「アイライク」を拗らせた事のある人ならきっと共感するストーリーで、
ラストシーンを観る頃には彼のことがとても愛おしく感じる傑作でした。
I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ:作品詳細
原題:I Like Movies 製作年:2022 公開日:2024年12月27日(日本) 製作国:カナダ 上映時間:99分 ジャンル:青春コメディ・ドラマ 配給:イーニッド・フィルム レーティング:G(全年齢対象)
I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ:予告
I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ:キャスト・スタッフ
- アイザイア・レティネン(ローレンス・クウェラー)
- ロミーナ・ドゥーゴ(アラナ)
- クリスタ・ブリッジス(テリ)
- パーシー・ハインズ・ホワイト(マット)
- エデン・キューピド(ローレン・P)
- 監督・脚本・製作:チャンドラー・レバック
- 撮影:リコ・モラン
- 美術:クラウディア・ダロルソ
- 衣装:コートニー・ミッチェル
- 編集:シモーン・スミス
- 音楽:マレー・ライトバーン
- 製作:リンジー・ブレア・ゲルドナー、エバン・デュビンスキー
- 製作総指揮:ビクトリア・リーン、マイケル・ソロモン
I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ:あらすじ
映画だけが生きがいの17歳ローレンス・クウェラーは、ニューヨーク大学でトッド・ソロンズ監督から映画を学ぶことを夢見ている。しかし社交性に乏しい彼は、学費を貯めるため地元のビデオレンタル店「Sequels」でアルバイトを始めることになる。そこで、かつて女優を目指していた店長アラナや、様々な大人たちとの出会いを通じて、ローレンスの世界は大きく広がり始める。唯一の友人マットとも距離が広がり、アラナとの関係も複雑に深まっていく中で、将来への不安に駆られたローレンスは、大事な人たちを決定的に傷つけてしまう。そして自分の居場所と本当に大切なものが何かを問い直させられていく。
I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ:解説
本作の最大の特徴は、監督チャンドラー・レバックの自伝的ストーリーながら、主人公の性別をあえて男性に変更して撮りあげた点にある。レバック監督が目指したのは「女性監督は女性のことしか描けない」というハードルに挑戦することだったと語っており、その試みは見事に成功している。
映画への飽くなき愛とこだわりで、周囲の人間関係を軽視してしまう少年の痛さと、それでもなお彼の才能を見抜き支援しようとする大人たちの複雑な感情が、この作品の核となっている。特に、店長アラナとローレンスの関係は秀逸だ。彼女は彼のわがままさにイライラしながらも、彼が提案した「Employee Picks」(推し棚)の採用、映画製作への助言など、上司として、そして人間として複雑な感情で彼に向き合う。その過程で彼女が吐露する「なんで私はあんたに気に入られようとしてるのよ」という自問自答は、観客の心を打つ。
主演のアイザイア・レティネンは、ラッパーとしてのセンスがセリフテンポに活きた絶妙な演技を展開。自己中心的ながら、映画愛に基づく言動の数々は、映画ファンの心をくすぐる。トッド・ソロンズの『ハピネス』をカップルに勧めるなど、映画への目利きの良さが随所に示される。ロミーナ・ドゥーゴが演じるアラナは、女優志望の挫折を背負いながらも、ローレンスの本質を理解する大人女性として、複雑で魅力的に描かれている。
映像も洗練されており、2003年のカナダの風景がノスタルジックに映し出される。99分という短い尺の中に、青春の痛さと美しさが凝縮されており、『レディ・バード』『Almost Famous』といった青春映画の傑作と比較されるのも納得である。脚本の力で、少年が映画を通じて成長していく姿が見事に描き出されており、本作はFilmarks Awards 2025で外国映画ミニシアター部門優秀賞を受賞した。
I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ:関連サイト
- 公式サイト:https://enidfilms.jp/ilikemovies
- 映画.com:https://eiga.com/movie/102475/
- Filmarks:https://filmarks.com/movies/109581
- JustWatch:https://www.justwatch.com/jp/%E6%98%A0%E7%94%BB/i-like-movies
- IMDb:https://www.imdb.com/title/tt14913282/
- 【前編】宇多丸『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』を語る!【映画評書き起こし 2025.1.9放送】 | TBSラジオ:https://www.tbsradio.jp/articles/91786/
I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ:配信
I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ:SNSでの主なユーザーレビュー
「これは最高です!最高!見たのはお正月明けてからだったんだけど、今年のNO.1早くも決定?『レディ・バード』にものすごく似てるけど、『レディ・バード』より良かったかもしれない。監督が女性監督は女性のことしか描けないというハードルに挑戦したというのが理由だと思う。主人公と奇妙な友情を構築していくビデオ屋の店長がとても良い。最高だったのは、店長がイライラしながらも主人公を怒りまくり、そのあげく『なんで私はあんたに気に入られようとしてるのよ』という自分に対するイライラを嘆くこと。」
「名作映画の羅列、早口で捲し立て人の話を聞かず友人よりも趣味を優先しちゃう駄目な感じ。新しい世界に行けば、自分の過去の何もかも捨てて友だちも一新してって思う気持ち、分かるけど大切にすべき友はすでにとても近くにいる人だったりする。大好物な青春映画。90分という時間も最高で、あっという間に終わってしまった。脚本の力。いい脚本の映画は、本当に最高だ。」
「ローレンスは高額な学費を貯めるため、地元のビデオ店でアルバイトを始め、そこでさまざまな人と出会い、不思議な友情を育む。映画がボクのすべてだったという主人公は、けれど成長していくんだ。そこが『未来ある子』の強いとこ。それはもうとことん傷つきながら。その過程が、本当に良く描かれている。俳優陣はいやこれまた全員最高だけど、この主人公の彼はラッパーだそうだ。そのせいかセリフのテンポも最高にいいんだよね。」
「店長がイライラしながらも主人公を怒りまくり、その後『なんで私はあんたに気に入られようとしてるのよ』という自分に対するイライラを嘆く。あのイライラはわかるなぁ!でも彼女は上司として、主人公の才能を見抜き、また主人公の提案だった『推し棚』を採用してくれるなど、この二人の間には不思議な信頼関係が作られていく。最後の最後にどんな映画を好きなのと主人公に答えて、まっすぐと答える店長のあの演技も良かった。」
「映画好きって似てくるものなのかもしれません。タランティーノを彷彿とさせるキャラクター造形。でも、この監督、女性監督は女性のことしか描けないというハードルにトライしたかったのだそうだ。すごくないか?今後楽しみな監督さんのひとりになりました。なんとなくですが、この先全く違うタイプの映画を作るかもしれない、なんて期待しています。2025年の一本目としていい映画が見られて幸せでした。」

















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