【ドラマ】離婚しようよ:宮藤官九郎と大石静の良い部分が相乗効果を産んだ脚本がすごい
宮藤官九郎 X 大石静 脚本という期待を全く裏切らない仕上がりに嬉しい悲鳴。印象的には「恋する母たち」「和田家の男たち」の絶妙なコメディ感が全面に出ていて超好みでした。
Netflixオリジナル作品、全9話。じっくり堪能しました。
ネタバレなし感想など書いています。
離婚しようよ:あらすじ
夫は新人議員、妻は俳優。結婚5年目の東海林夫妻は、夫婦生活の危機を迎えていた。もはや愛が冷め切った二人は離婚を決意し、実家からのプレッシャーやスポンサー契約など多くの軋轢にもまれながら、揺るぎない目標に向かって共闘していく。
離婚しようよ:キャスト・スタッフ
- 松坂桃李(東海林大志)
- 仲里依紗(黒澤ゆい)
- 錦戸亮(加納恭二)
- 板谷由夏(印田薫)
- 織田梨沙(三俣桜子)
- 神尾楓珠(堀米削也)
- 守屋麗奈(夏子)
- 尾美としのり(早乙女)
- 山本耕史(想田豪)
- 高島礼子(佐藤富恵)
- 竹下景子(東海林峰子)
- 古田新太(石原ヘンリーK)
- 監督:金子文紀、福田亮介、坂上卓哉
- 脚本:宮藤官九郎、大石静
- エグゼクティブ・プロデューサー:高橋信一(Netflix)
- プロデューサー:磯山晶、勝野逸未
- 主題歌:Rin音 feat. asmi「Good Bye」「Fruits」
離婚しようよ:予告編
離婚しようよ:ネタバレなし感想
宮藤官九郎 X 大石静 脚本という期待を全く裏切らない仕上がりに嬉しい悲鳴でした。監督は木更津キャッツアイ、カルテットの金子文紀監督。
共同脚本というと、Disney+の傑作「すべて忘れてしまうから」が、岨手由貴子、沖田修一、大江崇允の巨匠によるものだったのが記憶に新しいです。
海外作品では複数の脚本監督というのが当たり前なので、日本もいよいよそのようなスタイルが定着してきたということでしょうか。
クオリティコントロールを行うショーランナー制でどんどん作品を作って欲しいといつも思っています。
ただ、インタビューによると、この「離婚しようよ」はシーン毎に手紙のやりとりをするかのような、非常に面倒な脚本執筆を行ったようです。
「離婚しようよ」宮藤官九郎×大石静インタビュー 共同脚本で挑む“ときめきあり”の離婚ホームコメディ – 映画ナタリー 特集・インタビュー
より引用:
共同脚本と言っても、本作は1話ずつ担当する形式ではなく、数シーン書くごとに相手に渡す交換日記のような方法で執筆
苦手なことは宮藤さんに投げていたので。自分の担当のところも「ここ一発面白いこと言いたいんだけど、浮かばないから宮藤さんお願い」って書いておいて先に進む、みたいな。
ということなので、この作品の醍醐味として、どのシーンのどの台詞がクドカンなのか、大石静なのか、を想像しながら観るというものがあります。
「俺の家の話」のようなコメディが爆発するシーン、
「恋する母たち」「和田家の男たち」の人間ドラマとしての絶妙にエモいシーン、
などを彷彿とする「らしさ」が存分に堪能できます。これは楽しい。
いわゆる演劇っぽいノリが出すぎてしまって好き嫌いが出そうな部分が否めないクドカン脚本がマイルドになっていたり、二人が同時に脚本を執筆することで生まれる人物描写のリアリティが相乗効果を産んでいます。
そして主演の松坂桃李さんと仲里依紗さんの演技がとてつもないです。俳優役、議員役ということでONとOFFがきっちり分かれている人物を演じる二人の緻密な、そしてちゃんと面白いところでは笑える演技が本当に素晴らしいです。
どこまでも軽薄でバカっぽい松坂桃李さんは健在。「今ここにある危機とぼくの好感度について」「ゆとりですがなにか」での抜群のキャラクターを彷彿とさせる演技がまた観られます。
そして仲里依紗さんの、俳優役で育ちが悪くダメ男に恋をしてしまう、という何重にも顔を変える実に難しいであろう役をやってのける様は感嘆してしまいます。NHKドラマ「大奥」の徳川綱吉役が超絶すごかったのが記憶に新しいですが、今回も本当に素晴らしかったです。
尾美としのりさん、古田新太さんを始めとしたいわゆる「クドカン組」も相変わらず最高です。母親役の竹下景子さんもヤバかったw
離婚しようよ:キャスト&スタッフインタビュー
Netflix作品にしてはめずらしく配信記念イベントがあったようで、インタビューなども多数ネットに公開されていて、作品を観る前に読んでおくとより楽しいです。
大石静×宮藤官九郎、初タッグで得たものは? 2人の“脚本術”に迫る|Real Sound|リアルサウンド
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離婚しようよ:Netflixで配信中
「離婚しようよ」はNetflixオリジナルです。
離婚しようよ:余談・アートワークがアバウト・タイムに似てる
傑作タイムリープ映画「アバウト・タイム~愛おしい時間について」とアートワークが似てますねw
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