クリント・イーストウッド監督作『陪審員2番』は、陪審員の男が自らの罪と正義に揺れる法廷サスペンス。キャスト・あらすじ・配信情報を徹底解説

映画『陪審員2番』は、クリント・イーストウッド監督による心揺さぶる法廷サスペンス。94歳のジャスティン・ケンプが、殺人事件の陪審員に選ばれ、自らの倫理観と向き合いながら、裁判の行方を左右する決断を迫られる姿を描く。緊迫の心理劇と重厚な人間ドラマが融合した注目作です。
ストーリー、キャスト、見どころ、解説、各種レビュー、配信情報を幅広く紹介します。
陪審員2番:ネタバレなし感想
登場人物の心の機微が揺れ動き追い詰められる様をじっくりと描く人間描写が、いかにもクリントイーストウッド監督っぽく、正義とは、倫理観とは、と観るものの心が揺さぶられる絶妙な脚本が素晴らしかったです。
観た後の余韻がずしりと来て、どうしても「その後」を考えざるを得ないラストがお見事でした。
十二人の怒れる男(または優しい日本人)を観るのもオススメです。
陪審員2番:予告
陪審員2番:あらすじ
出産間近の妻と暮らすジャスティン・ケンプは、ある殺人事件の裁判で陪審員に選ばれる。被告は恋人殺害の容疑で起訴された男サイス。
評議が進む中、ジャスティンは事件当日、自分も現場付近で車を運転し、何かをはねたことを思い出す。最初は鹿だと思い込んでいたが、次第に自分が被害者を死なせたのではないかという疑念が強まる。
陪審員の多くが被告の有罪を主張する中、ジャスティンは無罪の可能性を訴え、議論を呼ぶ。
自身が真犯人かもしれないという苦悩と、家族を守りたい思いの間で揺れ動きながら、ジャスティンは「正義」と「真実」の間で究極の選択を迫られる。法廷の緊張感と人間の良心、罪悪感が交錯するサスペンスが展開する
陪審員2番:解説
「許されざる者」「ミリオンダラー・ベイビー」のクリント・イーストウッドが、94歳を迎えた2024年に発表した監督作。ある殺人事件に関する裁判で陪審員をすることになった主人公が、思いがけないかたちで事件とのかかわりが明らかになり、煩悶する姿を描いた法廷ミステリー。
「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のニコラス・ホルトが主人公ジャスティンを演じるほか、「ヘレディタリー 継承」のトニ・コレット、「セッション」のJ・K・シモンズ、「24 TWENTY FOUR」のキーファー・サザーランドらが共演。陪審員のひとりとして、リアリティ番組「テラスハウス」などに出演した日本人俳優の福山智可子も出演している。
陪審員2番 配信:
陪審員2番:関連サイト
- 映画『陪審員2番』公式サイト(ワーナー・ブラザース):https://warnerbros.co.jp/home_entertainment/detail.php?title_id=59650
- Filmarks:https://filmarks.com/movies/112104
- 映画.com:https://eiga.com/movie/103047/
- RealSoundレビュー記事:https://realsound.jp/movie/2025/01/post-1890541.html
- 宇野維正のMOVIE DRIVER(YouTube):https://www.youtube.com/watch?v=Vgwu2zwoqNM
- クリント・イーストウッドインタビュー(読売新聞):https://www.yomiuri.co.jp/culture/cinema/20241226-OYT1T50156/
陪審員もの作品関連
この作品を見て、やはり思い出すのは
十二人の怒れる男
そのパロディ版である、十二人の優しい日本人ですね。
陪審員2番:SNSでの主なユーザーレビュー
裁判の陪審員として倫理的な葛藤に苦しむ主人公ジャスティンの姿が深く胸に刺さる。ニコラス・ホルトの抑制の効いた演技で、静かな緊張感が持続する。物語が進むにつれ秘密と真実が明らかになり、観る者も陪審員の一員のような感覚で議論に引き込まれた。
陪審員の心理描写がとにかくリアルで、登場人物の感情が丁寧に積み重ねられていく。被告の無罪と有罪をめぐる葛藤が複雑に絡み合い、終盤の展開には驚きの連続。法廷ドラマというよりも、人間ドラマとしての深みを堪能できる秀作。
クリント・イーストウッド監督らしい静謐な演出が光る。陪審員が抱える道徳的ジレンマと、自身の過去との対峙が交錯。重いテーマながらしっかり希望も感じられる幕引きで、心に残るラストシーンが印象的だった。
シンプルな設定ながら、陪審員たちの対話と心理戦が緻密に描かれ、見応え十分。ニコラス・ホルトと共演者の演技が高次元のバランスで、法廷物の新たな可能性を感じさせてくれた。
法廷スリラーというより、人間性の探究に重点を置いた作品。陪審員が揺れる判断と、内に秘めた罪悪感が重層的に屈折し、感情が波紋のように広がる。鑑賞後、正義とは何か改めて問われる内容だと感じた。
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