第72回ベルリン国際映画祭受賞作『マイスモールランド』のあらすじ・キャスト・配信・感想を徹底解説。難民問題と青春を描く話題作

映画『マイスモールランド』は、在日クルド人の少女が直面する現実と、青春の日常、家族と自分の居場所を探す姿を鮮やかに描いた社会派ドラマ。あらすじ・キャスト・配信・話題の各種レビューや見どころもまとめて紹介します。
マイスモールランド:ネタバレなし感想
移民問題の闇と、ほんの少しの希望。社会的なテーマを軸にしながらも、青春映画として絶妙なバランスで描かれているヒューマンドラマの傑作でした。
流石是枝組と言えるリアリティあふれるシーンの連続で、主演の 嵐莉菜 さんの演技とそのご家族(本当の家族というキャスティングもすごい)のシーンの数々が本当に素晴らしい。
劇中仲良くなる 奥平大兼 さん(ここ数年話題作に出まくってますね)とのシーンも実に自然で見事でした。
マイスモールランド:作品詳細
原題:My Small Land 製作年:2022年 公開日:2022年5月6日 製作国:日本・フランス
上映時間:114分 ジャンル:青春ドラマ/社会派 配給:バンダイナムコアーツ
マイスモールランド:予告
マイスモールランド:キャスト・スタッフ
- 嵐莉菜(サーリャ)
- 奥平大兼(聡太)
- アラシ・カーフィザデー(マズルム:サーリャの父)
- リリ・カーフィザデー(アーリン:妹)
- リオン・カーフィザデー(ロビン:弟)
- 監督・脚本:川和田恵真
- 製作:河野聡、小林栄太朗、澤田一、是枝裕和、依田巽、松本智
- エグゼクティブプロデューサー:濱田健二
- プロデューサー:森重宏美、伴瀬萌
- 企画プロデューサー:北原栄治
- 音楽:ROTH BART BARON(主題歌「New Morning」)
- 撮影:四宮秀俊
- 照明:秋山恵二郎
- 美術:徐賢先
マイスモールランド:解説
川和田恵真監督による商業映画デビュー作で、第72回ベルリン国際映画祭アムネスティ国際映画賞・特別表彰を受賞。
在日クルド人というマイノリティの少女サーリャを主人公に、日本社会の難民問題や、多文化共生が孕む葛藤と希望をリアルに映し出します。主演はドイツ×日本×イラク×トルコのルーツを持つ現役高校生モデル、嵐莉菜。実際の家族が劇中家族として出演し、多層的なリアリティを実現。
バイト先で出会う日本人高校生・聡太役には奥平大兼。徹底した2年間の取材を元に、彼女らの日常に突如訪れる「在留資格喪失」の非情な現実と、夢や“普通の高校生活”を守りたい思いとの板挟みを描きます。
監督も自身が多国籍ルーツを持つ経験から、人種や国境を越えた普遍的な想いをスクリーンに刻み、鮮烈な青春群像を紡いだ秀作です。
マイスモールランド:あらすじ
埼玉で暮らすクルド人一家の長女サーリャは、幼い頃から日本で育ち、県立高校に通い友人と普通の生活を楽しんでいた。ある日、家族の難民申請が不認定となり、在留資格を失うことで日常が急変。
サーリャは小学校教員になる夢や東京の友人・聡太と会うことすら困難になり、家計を助けるため始めたバイトも続けられなくなる。父は入管に収容され、家族を支えることが彼女の肩に重くのしかかる。
社会の理不尽さと自らのルーツの狭間で苦しむサーリャは、それでも家族や仲間と向き合い、居場所と自分らしさを模索しながら“一歩を踏み出す強さ”を見つけていく。
静かな日常がいかに脆く崩れうるかを、日本の現実に重ねた感情豊かな青春物語。
マイスモールランド:関連サイト
- 公式サイト:https://mysmallland.jp/
- Filmarks:https://filmarks.com/movies/99388
- 映画.com:https://eiga.com/movie/95843/
- JustWatch:https://www.justwatch.com/jp/%E6%98%A0%E7%94%BB/maisumorurando
- IMDb.com:https://www.imdb.com/title/tt16410620
- 『マイスモールランド』川和田恵真監督x嵐莉菜 誰かの辛い状況を作っている無関心【Director’s Interview Vol.203】|CINEMORE(シネモア) https://cinemore.jp/jp/news-feature/2467/article_p1.html
マイスモールランド:配信
マイスモールランド:SNSでの主なユーザーレビュー
在日クルド人サーリャの視点で、“日本に長く暮らしても居場所が見つからない”苦しさと、その中でも日々に希望を見出そうとする姿がリアル。淡々と描かれるからこそ、ラストの表情と決断が強く心に残った。俳優全員の自然な演技も圧倒的。
普通とは何か、居場所とは何かを突きつけられる作品。青春群像でありながら社会派映画としても成立。主人公の孤独、家族との愛憎、友人との微妙な距離感—全てリアルで胸が痛くなる。
主人公サーリャを演じた嵐莉菜の透明感と存在感が圧巻。静かな映像美、サウンドトラックも秀逸。重いテーマなのに、押し付けがましくなく希望がある。
川口市のリアルな地域描写、無関心な社会に対峙する小さな意志の物語。10代や若い世代にこそ見てほしい。大人にも深く問いかける問題作。
県境が“決して越えられない壁”になる現実、マイノリティの声なき声を掬い上げる演出が優れている。撮影や小道具、方言、生活感にも誤魔化しがなく真摯。
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