火星探査船に紛れ込んだ4人目の密航者――人類の極限サバイバルを描くSFスリラー『密航者』

火星を目指す宇宙船でミッション遂行中のクルーたち。想定外の密航者マイケルが発見され、限られた酸素や資源をめぐって生死の選択が迫られる――極限状況下の人間ドラマとサスペンスが広がるSFスリラー。計画外の4人目の登場で、仲間同士の葛藤と命の重みが鮮烈に描かれる。
密航者:ネタバレなし感想
密室ものSFは大好物です。
傑作「LIFE」や「オデッセイ」を彷彿とさせる宇宙空間での、生と死の間でのジャッジの連続にヒリヒリします。
本作は、その「ジャッジ」1点にテーマを置き、回収されない伏線を多く残したりと、徹底的に余計なものを排除した作り、ミスリードさせるいくつもの仕掛けも巧妙な、良いヒューマンドラマでした。
登場人物の行動が許せない、回収されない謎がある、といった類のピントハズレのレビューに騙されず鑑賞するのがオススメです。
密航者:作品詳細
原題:Stowaway
製作年:2021年
日本配信開始:2021年4月22日(Netflix)
製作国:アメリカ/ドイツ
上映時間:117分
ジャンル:サスペンス/SF/ドラマ
配給:Netflix
密航者:予告
密航者:キャスト・スタッフ
- アナ・ケンドリック(ゾーイ・レヴェンソン/医師、科学担当)
- トニ・コレット(マリーナ・バーネット/宇宙船の船長)
- ダニエル・デイ・キム(デヴィッド・キム/生物学者)
- シャミア・アンダーソン(マイケル・アダムス/予期せぬ密航者、技術者)
- 監督:ジョー・ペナ
- 脚本:ジョー・ペナ、ライアン・モリソン
- 製作:ジョー・ペナ、ライアン・モリソン、ニクラウス・フォスター、Joan Jin
- 撮影:Kolosy Balazs
- 編集:ライアン・モリソン
- 音楽:Volker Bertelmann
- 美術:Lucio Seixas
- 衣装:Isabel Mandujano
- VFX監督:Jussi Lehtinen
密航者:あらすじ
火星移住へ向けて2年に及ぶ壮大なミッションに出発した宇宙船MTS-42。船長マリーナ、生物学者デヴィッド、医師ゾーイ、3人の乗務員は万全の準備で航行を始める。
しかし出発直後、船内の設備の奥で意識を失っていた技術者マイケルが発見され、想定外の「4人目の命」に資源(酸素・食料)が決定的に不足していることが判明。船はすでに地球には戻れず、各自の生死が計算式となって突きつけられる。
危機の中、限られた酸素を分け合うか、命を犠牲にするか――仲間や密航者との関係の中で、人間性と自己犠牲の葛藤を描く。
密航者:解説
ジョー・ペナ監督が、閉鎖空間の極限状況とサバイバル、最新科学設定をリアルに映像化。主演アナ・ケンドリックの誠実な医師役、トニ・コレットの指導者としての葛藤、実力派キャストによる心理戦と命の選択が大きな反響を呼ぶ。SFサバイバルの醍醐味と人間ドラマの奥深さを兼ね備えたNetflix注目作。
密航者:関連サイト
- 映画.com:https://eiga.com/movie/94961/
- Filmarks:https://filmarks.com/movies/96278
- JustWatch:https://www.justwatch.com/jp/映画/stowaway
- IMDb:https://www.imdb.com/title/tt9203694
密航者:配信
密航者:SNSでの主なユーザーレビュー
「『密航者』は宇宙船という密室で突如現れた4人目=マイケルによって、物語が一変する。酸素不足というリアルな危機の中で、科学者・医師・船長、そして密航者それぞれの心理がぎりぎりまで描き込まれている。特筆すべきは、アナ・ケンドリック演じるゾーイの“みんなで生き残りたい”という最後まで諦めない姿勢。トニ・コレットの決断と苦しみも説得力。極限状況だからこそ、人間性の美しさとエゴが両方むき出しになる演出が秀逸。計算で割り切れない救いの余地を探る彼らに自分も引き込まれていく。最後の選択には涙した。」
「登場人物が少ない分、全員の感情・背景・選択がじっくり掘り下げられる。酸素の残量、船の逸脱、技術的な難問と理想的な解決方法が全て“現実”として突きつけられ、手に汗握る展開。静かな会話や、わずかな表情の変化がドラマの主軸になり、ハリウッド的な派手さはないが、逆に現実味と重さが心に残る。サバイバル×人間関係の新しい形を見たと思う。」
「パンデミックや孤独の時代に観ると、閉じた空間で他者とどう共存し選択するかが現実感として突き刺さる。科学SFでありながら、“思いやり”“犠牲”“希望”が生々しく描かれている。火星へ行くロマンよりも“今生きている命の価値”が物語の核。ゾーイを始めそれぞれのキャラクターが、自分や他者に何ができるかを真剣に模索する様子が胸に響いた。」
「静かな空気感と緊張感がずっと続き、宇宙船なのに“窮屈さ”“逃げ場のなさ”を存分に感じさせる演出力。普通の人生を夢見ていた密航者マイケルの“善悪だけで説明できない”人間性も高評価。エンタメとしてのSFだけでなく、自分の生活や選択そのものを見つめ直したいと感じさせる深みがある。」
「一見するとSFサバイバルだが、実際には倫理・命・希望の物語だった。科学だけでなく“人間”の領域に踏み込むことで、観る側も自分ならどうするか…と考えさせられる。役者陣の演技も細やかで素晴らしく、終盤の決断シーンは静かだが圧倒的な衝撃。余韻が長く残るタイプの映画。」

















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