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管理人ayu

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映画『化け猫あんずちゃん』のあらすじ・キャスト・配信・見どころを徹底解説。ロトスコープで描く日仏合作アニメの傑作。

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映画『化け猫あんずちゃん』のストーリーや見どころ、制作背景をわかりやすく解説。あらすじ・キャスト・配信・評価・関連リンクもまとめて紹介します。

化け猫あんずちゃん:ネタバレなし感想

化け猫(37歳)がいても誰も驚かない世界w

ジブリの下位互換かと思わせるポスターアートの印象からほぼ崩れることがないまま序盤から最後まで突き進んでいくストーリーに大変感動しました。

絶妙なバランスで描かれるファンタジー感が本当に素晴らしく、山下敦弘監督の名作「もらとりあむタマ子」を彷彿とさせる、癖になるゆるさがたまりません。

登場人物みんな好きになるキャラクター描写はもちろんのこと、あんずちゃんの声と動きを演じた森山未來さんの天才っぷりに惚れ惚れしました。

このアニメーション、実写で撮影した俳優の動き・芝居をアニメへ精密にトレースする「ロトスコープ」という技術なんだそうです。どうりで尋常じゃないヌルヌル感が出てるんですね。

夏の一作としてぴったりな、気軽に観れるが実は深いテーマで大人も楽しめる、傑作アニメーションでした。

ラストシーン、めちゃくちゃ良かった(涙

もらとりあむタマ子と併せて是非。

化け猫あんずちゃん:作品詳細

原題:化け猫あんずちゃん 製作年:2024年 公開日:2024年7月19日 製作国:日本・フランス合作 
上映時間:94〜95分 ジャンル:アニメーション/ファンタジー/ドラマ 配給:TOHO NEXT

化け猫あんずちゃん:予告

化け猫あんずちゃん:キャスト・スタッフ

キャスト
  • あんずちゃん(声・動き):森山未來
  • かりん(声・動き):五藤希愛
  • 哲也(声・動き):青木崇高
  • 和尚(声・動き):鈴木慶一
  • 市川実和子
  • 水澤紳吾
  • 吉岡睦雄
  • 澤部渡
  • 宇野祥平
スタッフ
  • 監督:久野遥子、山下敦弘
  • 原作:いましろたかし
  • 脚本:いまおかしんじ
  • 音楽:鈴木慶一
  • キャラクターデザイン・作画監督:久野遥子、石舘波子、中内友紀恵
  • 美術監督・色彩設計:Julien De Man
  • 撮影監督:牧野真人
  • CG監督:飯塚智香
  • 音響監督:滝野ますみ
  • 編集:小島俊彦
  • アニメーション制作:シンエイ動画、Miyu Productions
  • 実写制作協力:マッチポイント
  • 配給:TOHO NEXT

化け猫あんずちゃん:あらすじ

雷の鳴る豪雨の日、寺の和尚に拾われ「あんず」と名付けられた子猫は、時の流れとともに“人の言葉を話し、人のように暮らす化け猫”へと成長する。

現在37歳のあんずちゃんは原付で移動し、按摩のアルバイトをしながら気ままに生活。ある日、長らく行方知れずだった和尚の息子・哲也が、11歳の娘・かりんを連れて寺に戻るが、再び口論の末にかりんを置いて去ってしまう。

大人の前では“いい子”を装うかりんの面倒を頼まれたあんずちゃんは、次第に彼女の本音や孤独に触れていく。

かりんは「母さんの命日に戻ってくる」という父の言葉を信じるが連絡はなく、せめて母の墓に手を合わせたいという願いも叶わない。やがてかりんは、母に会わせてほしいとあんずに懇願する。

化け猫と少女の一夏が動き出し、二人は不思議で少し過激な“旅”へ踏み込んでいく——。

化け猫あんずちゃん:解説

本作は、いましろたかしの同名コミックを、山下敦弘監督(実写撮影)とアニメーション作家・久野遥子監督(ロトスコープ)による共同監督で長編アニメ化した日仏合作。

実写で撮影した俳優の動き・芝居をアニメへ精密にトレースする“ロトスコープ”により、アニメーションの自由度と実写の身体性を併せ持つ独特の質感を獲得している。あんずちゃんの声と動きを担うのは森山未來。

ダンサーとしての身体性を含む繊細な演技が“猫であり人でもある”存在の奇妙さと愛らしさを両立させ、作品世界の核を形作る。

制作は老舗・シンエイ動画とフランスのMiyu Productionsが担当し、背景美術・色彩設計には海外チームも参画。第77回カンヌ国際映画祭 監督週間で公式上映され、地元の小学生を招いた試みでも好評を博した。

ファンタジーとユーモアの中に、親子の断絶と再生、居場所への希求を織り込み、子どもと大人双方に届く現代的な寓話として仕上がっている。

化け猫あんずちゃん:関連サイト

化け猫あんずちゃん:配信

化け猫あんずちゃん:原作

山下敦弘監督関連

やはり「もらとりあむタマ子」ですね。あんずちゃんのゆるさが前田敦子に通じるものがありますw

あと「カラオケ行こ」

化け猫あんずちゃん:SNSでの主なユーザーレビュー

ロトスコープの質感が想像以上に自然で、アニメでありながら実写の呼吸を感じた。森山未來が演じる“猫っぽい所作と人の佇まい”の共存が見事で、あんずちゃんという矛盾の塊に不思議と納得させられる。地獄まで巻き込む奔放さと、親子の痛みを避けずに描く誠実さが同居し、終幕の余韻が長く残った。

少女の“いい子”の仮面が少しずつ外れていく過程が丁寧。化け猫のユーモアに笑いながらも、家族の不在が残す空洞がじわじわ迫ってくる。背景の淡い色調と人物のベタ塗りの対比が感情の起伏を引き立て、短いショットの連なりが体験的な没入感を生む。

カンヌで話題と聞いて観たが、子ども客も大人もそれぞれ刺さる層が違うのがいい。ファンタジーの自由さで“会いたい”という衝動を押し広げつつ、都合の良い解決にしないバランス感覚が素晴らしい。主題歌も余韻に合っていて、帰り道に口ずさんでしまった。

あんずちゃんの“人間くささ”が作品の推進力。原付、スマホ、パチンコ…生活の小物が笑いを誘いつつ、どこか切ない。ロトスコープは“違和感”が鍵だが、本作は違和感を物語のテーマ(人/猫の境界)に回収していて見事。

子どもの世界の単純さと残酷さ、大人の世界の複雑さと弱さ。双方を責めずに並べる視線が優しい。映像的には、雨や風、衣類の揺らぎが特に美しく、キャラクターの内面を支える環境演出として機能していると感じた。