虚偽が作り上げた人生『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』胸糞悪いが見逃せない社会派映画の傑作

20年前の福岡で実際に起きた「殺人教師」事件の真相に迫った福田ますみのベストセラー・ルポルタージュを、三池崇史監督が映画化した『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』。綾野剛が演じる小学校教諭・薮下誠一は、ある日突然「史上最悪の殺人教師」とレッテルを貼られ、社会的制裁の嵐に晒される。柴咲コウ演じる保護者・氷室律子の虚偽告発、亀梨和也演じる週刊誌記者による過激な実名報道、550人の大弁護団による民事訴訟——。全てを失いかけた教師が法廷で語った「完全否認」の言葉が生み出す衝撃の真実。冷徹なリアリズムで描かれた社会的狂気が、観客の心を揺さぶる傑作社会派映画です。
でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男:ネタバレなし感想
こんな情けない役の綾野剛さんは初めて見ました。
映画「怪物」を彷彿とさせる、ミスリードを呼び起こす脚本が良い効果を生んでいるミステリーサスペンスですが、
これが実話だということが恐ろしさを倍増させてます。
三池監督らしい、人間の恐ろしさの過剰な描写は好みが分かれるところ、ラストの演出以外はとても良かったと思います。
予想以上に法廷劇がメインで、ここでも弁護士役小林薫さんの演技が光っていました。
でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男:作品詳細
製作年:2025 公開日:2025年6月27日 製作国:日本 上映時間:129分 ジャンル:ドラマ/法廷ドラマ 配給:東映 レーティング:PG12
でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男:予告
でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男:キャスト・スタッフ
- 綾野剛(薮下誠一)
- 柴咲コウ(氷室律子)
- 亀梨和也(鳴海三千彦)
- 木村文乃(出演)
- 光石研(出演)
- 北村一輝(出演)
- 小林薫(出演)
- 三浦綺羅(氷室拓翔)
- 大倉孝二(出演)
- 小澤征悦(出演)
- 髙嶋政宏(出演)
- 迫田孝也(出演)
- 監督:三池崇史
- 脚本:森ハヤシ
- 原作:福田ますみ『でっちあげ~福岡「殺人教師」事件の真相』(新潮文庫刊)
- 撮影:北信康
- 照明:宮本又男
- 録音:小野寺浩太郎
- 美術:竹内弘美
- 衣装:山本圭一
- 編集:朝間義隆
- 音楽:佐藤直紀
- 制作プロダクション:東映東京撮影所、OLM
- 制作協力:楽映舎
- 配給:東映
でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男:あらすじ
2003年、福岡県の小学校に勤務する教師・薮下誠一のもとに、突然の告発が下される。学級の児童・氷室拓翔への「体罰」である。告発者は拓翔の母親・氷室律子。その内容は聞くに耐えない執拗かつ凄惨な虐めだと主張される。事件を嗅ぎつけた週刊誌「週刊春報」の記者・鳴海三千彦は、実名報道に踏み切る。彼の過激な言葉で装飾された記事は、瞬く間に社会に拡散し、薮下は「史上最悪の殺人教師」というレッテルを貼られる。誹謗中傷、社会的制裁、学校からの停職処分。薮下は底なしの絶望へと突き落とされていく。一方、律子を擁護する声は高まり、550人もの弁護団が結成される。民事訴訟へと発展する中、法廷にて薮下が語ったのは「すべて事実無根の『でっちあげ』だ」という完全否認だった。
でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男:解説
本作は、単なる法廷ドラマではなく、現代日本の社会的狂気を冷徹なまでのリアリズムで描き出した傑作である。三池崇史監督は、『怪物の木こり』以来のスタイルで、余計な演出を極限まで排除し、事実に基づいた人間の複雑で危険な側面を映像化した。
主演の綾野剛は、16年ぶりに三池監督とタッグを組み、鬼気迫る演技を展開。正気と狂気の境を彷徨う薮下の苦悩と絶望が、微細な表情の変化で表現される。綾野は本作を「知らなかった自分に出会わせてくれた」と語り、その演技は多くの映画人から絶賛されている。
一方、柴咲コウが演じる氷室律子は、「血の通っていないような冷たい眼差し」で、虚偽の告発者としての複雑さを体現。亀梨和也は眼鏡越しに覗く「危うい視線」で、正義感に名を借りた狩猟的な記者の本性を見せる。この三人の対峙は、映画の核となる緊張感を生み出す。
注目すべきは、本作の構成にある。一見、虐めを告発された教師が被害者に見えるが、展開とともに視点が次々と転換され、各登場人物の「正義」がぶつかり合う。その過程で、何が真実であり、何が虚構であるのかが混沌としていく。大声を挙げた者が勝ち、同調圧力が真実を圧殺し、一度貼られたレッテルは剥がせない——本作が描く現代社会の恐怖は、フィクションを超えたリアルな危機感を呼び起こす。
福田ますみのルポルタージュは新潮ドキュメント賞を受賞し、その真実性の重みが本作を支えている。映画はエンターテインメントとルポルタージュの共存を実現し、観客に「真実とは何か」を問い続ける傑作として完成している。
でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男:関連サイト
- 公式サイト:https://www.detchiagemovie.jp/
- 映画.com:https://eiga.com/movie/103667/
- Filmarks:https://filmarks.com/movies/122012
- シネマトゥデイ:https://www.cinematoday.jp/movie/T0031488
- CINE QUINTO:https://www.cinequinto.com/shibuya/movie/detail.php?id=1320
- Movie Walker:https://press.moviewalker.jp/mv89136/
- Wikipedia:https://ja.wikipedia.org/wiki/でっちあげ~殺人教師と呼ばれた男
- CINRA『綾野剛が「殺人教師」役。柴咲コウ、亀梨和也らと共演』:https://www.cinra.net/article/202504-whn-detchiagemovie_edteam
- Walker Plus『三池崇史×綾野剛が描く衝撃作』:https://www.walkerplus.com/article/1259075/
- NB PRESS『綾野剛×柴咲コウ×亀梨和也 映画『でっちあげ』プレミアイベント』:https://nbpress.online/archives/115555
でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男:配信
でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男:SNSでの主なユーザーレビュー
「事実に基づいた物語だとは…恐怖でしかない。家庭環境の問題ってやっぱり連鎖していく可能性があるのかな。律子は自分のメンタルケアをするべきだ…。嘘で塗り固めた人生はなんて虚しいんだろう。胸糞悪いけど好きな映画。この手の映画としては珍しく、綾野剛の演技力で押し切られている感じがあります。目が泳いで狼狽えた表情、感情が死んだ無気力な佇まいも素晴らしかった。」
「大声をあげた者勝ち、同調圧力、本気の嘘。恐ろしいとしか言えない。いい意味で三池監督作品っぽくないというか、衝撃的な内容だった。病んだモンペの極みに絡まれた善良な教師を綾野剛が好演している。オープニングの偽りから終始気持ち悪い展開だった。嘘つく子供、学校側の保身、そしてしてない事を認める教師、本当初手が悪すぎる!」
「新年、初映画。ずっと上映されてた時から見たかった映画。とても人間を感じたし、諦めない心と一緒に頑張ってくれる人の尊さを感じた。人は支え合って生きているのは本当で、それは一番自分を理解してくれてる人…という結論に至った。見て思った事は、母親がここまでする動機が分からないまま終わっちゃった。お金目的にしては薮下先生や純也君の家と比べて良い家に住んでいた。」
「面白いのでみたほうがいいです。スチール的に微妙かと思っていましたが、いい意味でその逆。構成としましては、湊かなえの『母性』のような立ち位置が変わると受け取り方が違うみたいな感じなんだけど、受け取り違うとかのレベルじゃなくて、まあ一方がイカれポンチ版ですが。この手にしてはスピーディで、テンポが良い。」
「正気と狂気の境を彷徨う薮下を綾野剛が迫真のアプローチで演じきった。劇中で描かれているのは、それぞれの一面でしかありません。その人をどう生きるか、それぞれの一面をちゃんと振り切るというのを大切にして演じました、と綾野も語っている。出てくるキャラクターがみんな人間らしくて、その立場、その職業の正義の掲げ方があると感じた。ちょっとしたかけ違いで、こういう事態になる…というゾクっとする感覚。」


















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