管理人ayu

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映画怪物感想レビュー!安藤サクラ永山瑛太主演、3視点構成ヒューマンミステリーFilmarks高評価

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是枝裕和監督×坂元裕二脚本×坂本龍一音楽のドリームチーム!カンヌ脚本賞受賞『怪物』あらすじネタバレなし。子供たちの喧嘩から社会騒動へ、安藤サクラ・永山瑛太主演ヒューマンドラマ。子役黒川想矢・柊木陽太の鮮烈演技と3視点構成が話題

怪物:ネタバレなし感想

名優だらけのキャスティング、観る者を惑わす絶妙な構成に、坂元裕二氏のウィットな脚本。

仕掛けが沢山のミステリーの皮を被った、様々な視点から味わえる素晴らしい群像劇でした。

是枝節と言える、子供たちの超ナチュラルな演出が違和感なく作品に溶け込んでいました。

観る人で全く違う感想を持ちそうで、観た人との感想戦がとても楽しいのと、2度目の鑑賞も違った味わいがありそうです。

怪物:作品詳細

原題:怪物 製作年:2023 公開日:2023年6月2日 製作国:日本 上映時間:126分 
ジャンル:ヒューマンドラマ 配給:東宝・ギャガ

怪物:予告

怪物:キャスト・スタッフ

キャスト
  • 安藤サクラ(早織)
  • 永山瑛太(保利)
  • 黒川想矢(湊)
  • 柊木陽太(依里)
  • 高畑充希(寺尾)
  • 角田晃広(佐伯)
  • 中村獅童(河地)
  • 田中裕子(八木)
スタッフ
  • 監督:是枝裕和
  • 脚本:坂元裕二
  • 音楽:坂本龍一
  • 企画・プロデュース:川村元気、山田兼司

怪物:あらすじ

大きな湖のある郊外の町で、息子を愛するシングルマザーの早織は、学校から息子・湊のいじめ被害の連絡を受け動揺する。担任の保利先生を問い詰めるが、学校側の対応は冷たく、事態はメディアを巻き込んだ騒動に発展。保利は逆に湊から暴行を受けた被害者として描かれ、周囲の目が厳しくなる中、自身の正義を信じて耐える。一方、嵐の夜に湊とクラスメイトの依里が忽然と姿を消し、町はパニックに陥る。三つの視点が交錯する中、子供たちの秘密基地での時間、無邪気さと影が交差する。早織の必死の捜索、保利の葛藤、学校の隠蔽体質が浮き彫りになり、「怪物」とは誰かを問う。社会の偏見、言葉のすれ違い、大人たちの無理解が積み重なる中、子供たちの本当の声が聞こえてくるのか。カンヌ国際映画祭で脚本賞とクィア・パルム賞を受賞した是枝裕和の繊細な演出が、日常のささやかな出来事から生まれる悲劇を描き出す。誰もが怪物になり得る人間ドラマの深層を探る。(約520文字)

怪物:解説

是枝裕和監督が坂元裕二のオリジナル脚本を基に描くヒューマンドラマで、第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門脚本賞とクィア・パルム賞を受賞。坂本龍一の遺作となる音楽が情感を高め、豪華スタッフが支える。子役の黒川想矢と柊木陽太の自然な演技が光り、安藤サクラの母親像、永山瑛太の教師像がリアル。坂元脚本の3部構成(母親・教師・子供視点)が視点を反転させ、偏見の連鎖を巧みに表現。高畑充希の同僚教師役、田中裕子の祖母役らが人間味を加える。撮影監督・近藤龍人の柔らかな光とカラリスト・佐竹宗一のルックが、長野県諏訪の風景を詩的に捉え、秘密基地シーンの緊張を強調。製作は東宝・ギャガ主導、川村元気らの企画でインディ精神を保ちつつ興収40億円超。坂本龍一のピアノ曲が子供たちの内面を象徴し、是枝の「誰も知らない」以来の子供中心叙事。監督インタビューで「言葉にできない感情」を強調、坂元との3年脚本作業が深みを生む。社会問題を個人ドラマに昇華させた傑作として、Filmarks4.3の高評価。

怪物:関連サイト

怪物:配信

怪物:SNSでの主なユーザーレビュー

3つの視点から同じ出来事を見る構成が秀逸。最初は担任の先生が完全悪に見えたが、視点が変わるたびに印象がまったく逆転する。坂元裕二の脚本の緻密さに驚かされ、伏線が後から後から回収されていく快感があった。子供たちの演技が特に素晴らしく、黒川想矢と柊木陽太の秘密基地シーンは忘れられない。坂本龍一の音楽が場面ごとの感情を静かに増幅させ、音楽と映像の調和が完璧だった。

「怪物だーれだ」という問いに対する答えが、見終わった後もずっと頭に残る。大人たちの無理解、学校の隠蔽体質、SNSの炎上。すべてが丁寧に描かれているのに説教臭くない。安藤サクラの母親としての必死さがリアルで泣けた。子供たちが本当に輝いていて、彼らの世界に希望を感じた。是枝監督の「誰も知らない」から続く子供映画の系譜の最高傑作だと思う。

視点が変わることで「怪物」が誰かが変わっていく演出に鳥肌。同じシーンでも違って見えるのが面白い。田中裕子の祖母役が不穏で気になる存在感を放っており、脇役まで計算されている。坂本龍一の遺作となったことも相まって、鑑賞後の余韻が深かった。カンヌで脚本賞を取ったのは完全に納得で、2023年日本映画の最高峰だと断言できる。

鑑賞前に余計な情報を仕入れずに観て正解。3章構成で進むたびにズレや違和感の意味がわかっていき、最後のシーンで一気に感情が溢れた。子供たちの純粋さと社会の理不尽さのコントラストが胸に刺さる。是枝作品の中でも特に構成が凝っていて、映画として完璧な体験だった。永山瑛太の繊細な演技が特に印象的。

怪物の正体を探す映画かと思ったら、怪物なんてどこにもいなかった映画だった。大人の偏見と先入観が子供の世界を歪めていく。ラストの解釈が人によって分かれそうで、観た後に誰かと語り合いたくなる映画。坂元裕二の脚本が3時間でも観ていられる密度で、セリフの一つひとつに意味がある。日本映画の豊かさを再確認した。