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管理人ayu

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北アイルランドの小学校で「哲学」を学ぶ子どもたちの2年間を追う教育ドキュメンタリー『ぼくたちの哲学教室』の見どころ・配信・基本情報を解説。

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ぼくたちの哲学教室

北アイルランド・ベルファストの男子小学校で「哲学」を主要科目として教える校長と子どもたちの2年間を記録した、胸が熱くなる教育ドキュメンタリー。対立の歴史を抱える街で、対話と自己省察を学ぶ授業が、暴力の連鎖を断ち切る力になる可能性を映し出す。

ぼくたちの哲学教室:ネタバレなし感想

つい最近まで内戦状態だった、北アイルランドのベルファストという複雑に分断された場所に実在する小学校を舞台に撮影されたドキュメンタリー。生徒たちの無垢な姿と、それに向き合う熱い先生たちに大変グッときました。

授業に哲学を取り入れるユニークなスタイルが引き起こす化学変化を、ナレーションもなく、非常にフラットな視点で描く素晴らしい作品でした。

ラストシーン、めちゃくちゃ良かった(涙

ぼくたちの哲学教室:作品詳細

原題:Young Plato 製作年:2021年 公開日:2023年5月27日 製作国:アイルランド/イギリス/ベルギー/フランス 
上映時間:102分 ジャンル:ドキュメンタリー 配給:doodler

ぼくたちの哲学教室:予告

ぼくたちの哲学教室:キャスト・スタッフ

キャスト
  • ケヴィン・マカリーヴィー(ホーリークロス男子小学校校長)
  • ジャン・マリー・リール(教師/パストラルケア・リーダー)
  • ホーリークロス男子小学校の児童・教職員
スタッフ
  • 監督・撮影:ナーサ・ニ・キアナン
  • 監督・共同製作:デクラン・マッグラ
  • 製作:デビッド・レイン
  • 共同製作:ハンネ・プリポ、ジャッキー・ドイル、セリーヌ・ヌッセ
  • 編集:フィリップ・ラボエ、レト・スタム
  • 音楽・作曲:デビッド・ポルトロック
  • 音響・ミキサー:フレデリック・ハメラン

ぼくたちの哲学教室:あらすじ

北アイルランド・ベルファストのアードイン地区にあるホーリークロス男子小学校では、校長のケヴィン・マカリーヴィーが「哲学」を主要科目に据え、子どもたちに対話を通じて考える力と感情をコントロールする術を教えている。問いを立て、他者の意見に耳を傾け、言葉で自分の考えを表す授業は、宗教・政治的対立の記憶が残る地域の現実とも向き合うことになる。やがて、パンデミックやネット上のトラブルなど新たな課題も現れ、子どもたちは不安や怒りといった感情と折り合いをつけながら、それでもより良く生きるための視点を身につけていく。静かな教室での対話が、家庭や地域社会へと広がり、暴力の連鎖を断ち切る小さな波紋を生み出していく。

ぼくたちの哲学教室:解説

本作は、ベルファストの分断の歴史と現在進行形の緊張を背景に、「問い、聴き、考える」哲学的対話が教育にもたらす具体的な効能を、観察的手法で丹念に記録する。エルヴィスを愛する型破りな校長ケヴィンのファシリテーションは、子どもたちに自己洞察と他者理解を促し、衝動のコントロールという生きる技法を授ける。授業ではボールを手にした者だけが話し、書記役が意見を可視化、評価役がメタ的に振り返るなど、民主的な対話の基礎訓練が徹底される。二人の共同監督は約2年の長期撮影で、パンデミック下の変化やSNS時代ならではの課題も捉え、教室の小さな実験が街の記憶とどう交差するかを静かに照らし出す。国内外の映画賞で評価を集めたのも、教育ドキュメンタリーを超え、社会の暴力性に対する具体的なオルタナティブを提示する点にある。

ぼくたちの哲学教室:関連サイト

ぼくたちの哲学教室:配信

ぼくたちの哲学教室:SNSでの主なユーザーレビュー

哲学の授業を通じて子供たちが「なぜ?」と問い、自分の気持ちを素直に表現する姿に心を打たれた。分断のベルファスト、戦争と対立の歴史の中で育つ少年たちが、対話を重ねることで相手を知り、違いを認めていく過程が素晴らしく、教育の理想がそこにあった。校長の誠実な姿勢や先生たちのチームワークにも感動した。家庭や社会にもこの哲学教室のスタイルが広がれば、暴力の連鎖を断ち切る力になると思う。自分も日常のイライラや不安に悩むことがあるが、授業で学んだ「好きな場所を思い浮かべて心を落ち着かせる」といった方法は大人にも役立つと感じた。

学校教育に哲学が必要だと強く納得。特に「対話」を通じて子どもが互いの考えに触れ、自分の気持ちと向き合いながら意見を言語化する体験は、社会をよりよくする第一歩だと思った。子どもたちは自分なりの言葉で怒りや悲しみを語り、先生はしっかり聞いてくれる。「同じ街の中でも全然違う人生がある」と、地域と教育の現実を考えさせられる映画だった。親や教育者にも必見。

暴力や不安が日常の一部である環境だけに「哲学」を通した自己省察・感情のコントロールはとても意味がある。エルヴィス好きの校長が緊張と不安を乗り越える方法として「心の好きな場所に行く」ことを子どもたちに勧めたり、実践的で温かい。パンデミック下の葛藤やネット上のいじめなど、現代のリアルな問題にも触れ、自分も生き方を見直したくなった。

校長先生や職員がともに授業を作り上げる姿が魅力的。子どもたちは喧嘩もしながらも、意見を率直に伝えられる、素直な良さがあった。小学生の時から哲学対話を学べる環境の幸せさを思うとともに、大人こそ必要な学び。素朴な教室から社会へ広がる哲学の価値がよく伝わる作品だった。

哲学といっても難解ではない。「怒りをぶつけてもいい?」「相手が怒ってきたらどうする?」など具体的なテーマの対話が続き、書記や評価役を設けることでお互いの考えを丁寧に可視化できる。ボールを持つ人だけが話すなど、民主的な工夫が素晴らしい。問いかけを繰り返しながら、自分自身と向き合う方法を身につけていく子どもたちの成長に勇気をもらった。

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Posted by ayu