ホ・ジノ監督の家族の絆と道徳の選択を問う話題作『満ち足りた家族』レビュー・解説記事まとめ
「八月のクリスマス」「四月の雪」で知られるホ・ジノ監督が、韓国の現代社会が抱える倫理観と家族主義への疑問を投げかける衝撃作。社会的成功を収めた二つの兄弟家族が、思いも寄らぬ暴力事件をきっかけに崩壊していく姿を描き、観る者に「満ち足りた人生とは何か」を問う。
満ち足りた家族：ネタバレなし感想
弁護士と医師兄弟とその家族、一見「満ち足りている」ように見える家族を描いたミステリーサスペンスが大変面白かったです。
それぞれの登場人物の心の移り変わりが映し出される、無駄のない上質な脚本と、それぞれの立場を完璧に演じた4人の俳優陣がお見事でした。(キム・ヒエさんはドラマ「夫婦の世界」の名演が大変印象に残っています）
先日観たブラックドッグ同様、緊迫した食卓シーンが描けるのは素晴らしい監督である証拠だと思います。ホ・ジノ監督の他の作品を観てみたくなりました。
韓国映画でよく取り扱われる、富と道徳と家族の呪縛に揺れ動く心理描写は必見です。
衝撃のラストの後、一体彼らはどうなったのか、妄想せずにはいられません。
満ち足りた家族：作品詳細
原題：A Normal Family 製作年：2024年 公開日：2025年1月17日 製作国：韓国 上映時間：118分
ジャンル：ドラマ／倫理サスペンス 配給：日活、KDDI、HIVE MEDIA CORP.
満ち足りた家族：予告
満ち足りた家族：キャスト・スタッフ
- ソル・ギョング（ヤン・ジェワン）
- チャン・ドンゴン（ヤン・ジェギュ）
- キム・ヒエ（イ・ユンギョン）
- クローディア・キム（チョン・ジス）
- ホン・イェジ（ヤン・ヘユン）
- キム・ジョンチョル（ヤン・シホ）
- チェ・ムソン（老母スンジャ）
- イ・チョンア（検事ユ・ハンソン）
- 監督：ホ・ジノ
- 脚本：イ・チェジョン
- 製作：パク・ヒョジン、ホ・ジノ
- 撮影：キム・ジョンホ
- 編集：カン・ハンギル
- 音楽：チョン・ヨンジン
- 照明：クォン・スンホ
- 美術：シン・ジョナ
満ち足りた家族：あらすじ
弁護士の兄ジェワンと小児科医の弟ジェギュ。対照的な価値観を持つ二人は、それぞれ立派な家庭を築き、裕福で安定した生活を送っていた。月に一度、兄弟とその妻たちは高級レストランで夕食を共にし、表面的な家族の繋がりを保っていた。
しかし、ある夜、兄の娘ヘユンと弟の息子シホによる暴力事件が報道される。被害者は重体、世間の注目が家族へ向けられる中で、二つの家庭を覆っていた「満ち足りた幻想」は崩壊を始める。兄は家族を守るために法を捻じ曲げ、弟は良心と父親の責任の間で苦悩する。やがて二人は、道徳と血の絆の境界線に立たされていく。
満ち足りた家族：解説
『八月のクリスマス』『四月の雪』の名匠ホ・ジノによる心理サスペンス。デンマーク映画『The Dinner（ある告白）』をベースに、韓国社会の階級格差・家族主義・道徳観を重層的に描く。ソル・ギョングとチャン・ドンゴンの圧倒的な演技が対照的な兄弟像を際立たせ、倫理と愛の衝突をリアルに再現。美しい映像と重厚な演出が観客の胸を締め付ける。
満ち足りた家族：関連サイト
- 公式サイト：https://michitaritakazoku.jp
- 映画.com：https://eiga.com/movie/102767/
- Filmarks：https://filmarks.com/movies/118560
- JustWatch：https://www.justwatch.com/jp/%E6%98%A0%E7%94%BB/bo-tong-ui-ga-jog
- IMDb：https://www.imdb.com/title/tt28488187
満ち足りた家族：配信
