アカデミー賞13部門ノミネート『エミリア・ペレス』-最恐麻薬王が新たな女性として生きるサスペンスミュージカル映画の魅力を紹介

カンヌで審査員賞と女優賞を史上初の4人同時で受賞し、アカデミー賞で最多13ノミネートした「エミリア・ペレス」。フランスを代表する名匠ジャック・オーディアール監督が、麻薬王の「真実の自分」への旅と3人の女性たちの人生を、サスペンス、コメディ、ミュージカルを交織させながら描く、前例のない映画体験。
エミリア・ペレス:ネタバレなし感想
性転換手術を受け、戸籍を捨て別の人生を歩むメキシコギャングのボスとそれをサポートする女性弁護士のお話。
ミュージカル仕立てなのに、斬新すぎる設定とストーリーに面食らいましたが、クライムサスペンスのアクセントとして唯一無二のものに仕上がっており、とても好きな作品でした。
登場人物の気持ちや経緯をミュージカル部分で補うって、上手いの?下手なの?なんてことを考えてしまいました。
賛否両論の意見が散見されており、この手の作品にありがちな、いわゆる「面白さ」とは別の種類の、受賞についてや登場人物の倫理観についての言及が多く、ちょっとげんなりしました。
エミリア・ペレス:作品詳細
原題:Emilia Pérez 製作年:2024年 公開日:2025年3月28日 製作国:フランス
上映時間:132分 ジャンル:ミュージカル/ドラマ/クライム 配給:ギャガ
エミリア・ペレス:予告
エミリア・ペレス:キャスト・スタッフ
- ゾーイ・サルダナ(リタ)
- カルラ・ソフィア・ガスコン(エミリア・ペレス/マニタス)
- セレーナ・ゴメス(ジェシー)
- アドリアーナ・パス(エピファニア)
- エドガー・ラミレス(グスタボ)
- マーク・イヴァニール(ワッセルマン)
- 監督・脚本:ジャック・オーディアール
- 脚本:トマ・ビデガン、レア・ミシウス、ニコラ・リベッキ
- 製作:ジャック・オーディアール、パスカル・コーシュトゥー、バレリー・シェアマン、アンソニー・ヴァカレロ
- 音楽:クレモン・デュコル
エミリア・ペレス:あらすじ
メキシコシティの弁護士リタは、麻薬カルテルの元ボスである男から女性としての新たな人生を支援してほしいという依頼を受ける。
依頼主は過去の犯罪から逃れ、自らの性別適合手術を経て「エミリア・ペレス」として生きたいと願っていた。
リタは彼の脱出プランを練り、過去を捨て新たな道を歩む彼を支援するが、数年後イギリスで平穏な生活を送るリタの前に、エミリア・ペレスが現れ、三人の女性の運命が交錯する。
過去と現在、罪と赦し、愛と憎しみが複雑に絡み合う物語。
エミリア・ペレス:解説
ジャック・オーディアール監督が初挑戦したミュージカル作品であり、犯罪ドラマと社会派ヒューマンドラマを見事に融合させている。
カルラ・ソフィア・ガスコンが演じるトランスジェンダーの主人公の内面を鮮烈に描き出し、メキシコの社会問題や暴力、ジェンダーの問題を象徴的かつリアルに映し出している。
映像と音楽が一体となって登場人物たちの葛藤を表現し、観客に「本当の自分とは何か」を問いかける深い作品。アカデミー賞最多ノミネートは、映画自体の革新性と普遍性を示している。
エミリア・ペレス:関連サイト
- 公式サイト:https://gaga.ne.jp/emiliaperez/
- Filmarks:https://filmarks.com/movies/116041/
- 映画.com:https://eiga.com/movie/101586/
- JustWatch:https://www.justwatch.com/jp/映画/emilia-perez
- IMDb:https://www.imdb.com/title/tt20221436/
- 『エミリア・ペレス』ジャック・オーディアール監督 言語の音楽性が導く、他言語での映画制作 | CINEMORE:https://cinemore.jp/jp/news-feature/3923/article_p2.html
- アカデミー賞ノミネート作品が映す現代。映画『コンクラーベ』と『エミリア・ペレス』が訴える社会的メッセージとは? | 映画チャンネル: https://eigachannel.jp/j-movie/114692/
エミリア・ペレス:配信
エミリア・ペレス:SNSでの主なユーザーレビュー
出てくる女たちが無茶苦茶だけどみんな最高でした!ナイフと銃を見せ合ってときめいているエミリア・ペレスとその後恋人になる女性ににっこり。ラストには切なさも感じました。ただ、詰め込み過ぎ感があり、後半の展開が急で少し残念でした。ミュージカルとしては独特の雰囲気があり面白かったです。
序盤は完璧なミュージカルで一気に引き込まれました。ゾーイ・サルダナの歌と踊りは素晴らしく、法廷シーンへの自然な展開も良かったです。しかし後半は物語の焦点がぼやけてしまい失速。セレーナ・ゴメスを活かしきれておらず、ドラマの深みを欠いてしまいました。行方不明者捜索という社会貢献パートもやや淡泊で、もっとドラマチックに描いてほしかったという声も。
映画は「過去を捨てた人間が再び過去に囚われる」話で、性別移行だけを描くものではありません。社会的問題や個人的葛藤を直視しながらも、その主題の描き方には賛否両論あります。LGBTQの視点からは批判もありますが、全体として新しいアプローチでトランスジェンダーや再生の物語を映し出している点は評価されています。

















ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません