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管理人ayu

福岡市在住。エンタメ、ラジオ、音楽、ガジェット好きです。2000年頃から長いことやってます。日々の暮らしを豊かにする何かを探しております。
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森博嗣のコラムが日経パソコンに連載中

すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER(AMAZON.CO.JP)
■すべてがFになる – THE PERFECT INSIDER

日経パソコンという雑誌がある。何故か会社で年間購読している雑誌なのだが、休憩時間に時々読む。
昨年くらいまで真面目なつまんない記事が多かった日経パソコンが、編集部の再編があったのか、DVDのコピーとか、2ちゃんねるネタとか、最近急激にネタが若くなった。やはり雑誌だからネタがかなり古いのは致し方ないとしても、やはり
つまんない
しかし、最近森博嗣(もりひろし)氏のコラムが始まり、急激に日経PCが楽しくなった。というわけで、森博嗣氏について書いてみようかと。


「全てがFになる」で一世を風靡した、大学の助教授をしながら小説を書きまくり、模型を作ってみたり飛行機を飛ばしてみたりの凄いお方だ。どうしてそれらが維持できるのかというと、新聞読まない、TV見ない、電話しない、友達と会わないからだそうである。
この森博嗣氏の作品「全てがFになる」(S&Mシリーズと呼ばれる人気作の第1話)でド肝を抜かれた。面白い。最初は、専門用語を多用する「理系風インテリ風ミステリ」なカンジでなんだかなあ、と思っていたが、登場人物の描写が実に絶妙で、面白いのだ。
僕の読む小説はあるヒトの影響によりミステリ系の割合が高いのだけど、森博嗣氏の作品はミステリというよりも完全にエンターティメント作品に仕上がっている。世の批評家達は「新しい新本格派」とこぞって絶賛したようだが、
島田荘司と綾辻行人くらいしか読んだ事のない僕にはさっぱりピンとこなかった。
物語では主人公である、犀川(大学助教授)と萌絵(女子大生)のアタマの切れ具合を通して森氏の切れ具合に感動するし、二人の劇中のやり取りが非常に楽しい。
途中から肝心のミステリ部分は半ばどうでも良くなってくるという、ミステリとしてありえない作品だと思う。
登場するキャラが非常に際立っており、それぞれが魅力的だ。本好きなヒトもそうでないヒトも是非。
森氏のコラム(環境についてのオハナシ)から引用。

(前略)
子供たちに蒸気機関車の話をすると、彼らは「水蒸気で走るなんて、環境に良いね」と言う。ディーゼルエンジンのような排気ガスを出さない、という印象らしい。昔のテクノロジィは全て環境に優しいと勘違いしている。
はっきり言って、都市の空気は僕が子供の頃の方が汚かった。川の水だって今の方がずっと綺麗だ。昔は全てクリーンだったなんていう印象は一体誰が植え付けたものだろうか?昔の方が緑が多かったなんて、何を根拠に言っているのだろう?
文明が進歩すると、どんどん環境が汚染される、両者は反比例の関係にある、と思い込んでいる人たちが多いのである。それは全くの誤解だと思う。地球の環境を改善する為には、最新のテクノロジィが必要であり、科学の力なくしては、絶対に解決できないのが環境問題なのだ。文明が進歩しなければ、環境はどんどん悪くなるだろう。子供たちにはそう教えた方が良い。
(後略)

ちょっと目からウロコの発想で感動した。こういう事を言ってのけるヒトはなかなかいないのではないだろうか。
色々問題がある発言なのだろうが、こういう事を考えることも大切かと。以前のエントリで書いた、少年犯罪が増えているというデマと同じく、マスコミによる情報操作の現れなのだろうか。マスコミが煽ると人の心は関心が一瞬だけ向き、それに乗じた商売が続々登場し、消えていくのが最近目立つ。やだねえ。
話がそれたが、小説中では「犀川先生」が森氏の変わりに客観的な発言をガシガシする。それがまた痛快なのだ。これは森氏の本音なのだろうか?それとも作りこまれたキャラクタなのだろうか?
作品中には何人もの「天才」が登場する。その登場人物を比較するにつれ、森氏に対して
この人のアタマの中は一体どうなってるんだと
小一時間問い詰めたくなります。
S&Mシリーズだけでも短編を除いて10作。読みごたえアリアリです。まずは、「全てがFになる」から。いかが?読む気になったら是非順番に読むことをオススメします。
【関連 – S&Mシリーズ】
■すべてがFになる – THE PERFECT INSIDER
■冷たい密室と博士たち – DOCTORS IN ISOLATED ROOM
■笑わない数学者 – MATHEMATICAL GOODBYE
■詩的私的ジャック – JACK THE POETICAL PRIVATE
■封印再度 – WHO INSIDE
■幻惑の死と使途 – ILLUSION ACTS LIKE MAGIC
■夏のレプリカ – REPLACEABLE SUMMER
■今はもうない – SWITCH BACK
■数奇にして模型 – NUMERICAL MODELS
■有限と微小のパン – THE PERFECT OUTSIDER
【関連 – S&Mシリーズ短編】
■人形式モナリザ – Shape of Things Human
■まどろみ消去 – MISSING UNDER THE MISTLETOE
■地球儀のスライス – A SLICE OF TERRESTRIAL GLOBE
■森博嗣の浮遊工作室(森氏自身のサイト。読みごたえアリ)

Posted by ayu